来栖りん「数年後に自分でも見返したくなる写真集になった」
アイドルグループのセンターから、声優/ソロアーティストへ──。昨年4月にTVアニメ『神無き世界のカミサマ活動』のオープニングテーマ「I wish」でソロアーティストデビューを果たし、同アニメのシアン役で声優としての活動もスタートさせた。同年9月には、1stミニアルバム『Happy Lucky Diary』をリリース。そしてグループの解散から1年4か月あまり、来栖りんの2nd写真集『step by step』が完成した。 【写真を見る】キュートな笑顔が魅力的な撮り下ろしカット 「グループが解散してソロで活動を始めたばかりの頃は、孤独感がありました。『私がミスをしたら終わりなんだ』とか『悩んでいるけど、(メンバーがいないから)誰にも言えない』って、一人で全部を背負わなきゃいけないプレッシャーから生まれる孤独感だったと思うんですけど。でも、同じ事務所の坂倉花ちゃんが、『こういうことがあったんですよね』って周りの人に言っているのを聞いて、『私と同じだ』って気づいてからは孤独感をあまり感じなくなりました。坂倉花ちゃんとは一緒にご飯を食べに行ったりもするし、年下ですけど私の感情の支えになっています。あと、一人でお仕事をさせていただくようになってから、ちょっとだけハングリーになったと思いますね。ソロで活動していく以上は、そんなことじゃダメだな、それが自分の性格だからなんて言ってられないなって気づきました。もっと私が私がって気持ちを持たないと、チャンスを全部逃しちゃう。だから今は、これをしてみたいとか自分から提案もするようになりました」 ■私がすぐ隣にいる感じの写真が多くて、身近に感じてもらえるんじゃないかな そんな変化が訪れている中、2nd写真集『step by step』は台湾の地で撮影された。 「プライベートも含めて、初めての台湾でした。台湾には勝手に亜熱帯のイメージがあったんですけど、そんなことなくて、日本に近い気候というか。そのおかげで、あんまり身体もびっくりせず(笑)、ワクワクしながら楽しく撮影できました。カメラマンさんが1st写真集と同じ方だったり、私が以前から一緒にお仕事をさせていただいているスタッフの方々だったので、いい意味で楽に、とてもリラックスした雰囲気で撮影していただいたと感じています。その結果、私がすぐ隣にいる感じの写真が多くて、見てくださる方には身近に感じてもらえるんじゃないかなって。インスタグラムにアップする写真はどうしても決め顔になっちゃうから、ファンの皆さんから『もっと素の姿が見たい!』って言われることが多いんですよ。そういう意味でも、今回の写真集はファンの方たちに満足していただけるんじゃないかなと思っています」 ■自分で見てもタイムスリップしたみたいな感覚になりました 写真集のテーマは「ホームステイ」。制服を着て学校に通い、金魚屋でアルバイトをし、台湾名物の夜市に出かけたりと、台湾で暮らしているという設定に自然に溶け込んでいる姿が『step by step』には収められている。 「初めて行った国なのに、馴染んでいるっていう(笑)。それはやっぱり、気心の知れたスタッフさんたちと一緒だったからだと思います。1st写真集から約4年ぐらい経ってますけど、私の見た感じって変わらないなーって自分でも思いましたし、スタッフさんにも言われました。『マジで変わんないね』って(笑)。それも、ずっとお世話になってきたスタッフさんと一緒だったことが影響しているかもしれません。そのぐらい自然で、爆笑しているカットは高校時代に同級生に撮ってもらった写真なんじゃないかってぐらい(笑)。黄色いシャツの制服を着ている表紙のカットとか、髪の長さも含めて1st写真集の頃に雰囲気が近くて、自分で見てもタイムスリップしたみたいな感覚になりました。表紙のカットは、特に大好きな1枚です」 “少女のままの来栖りん”がいる一方、もちろん“大人になった来栖りん”もそこにはいる。 「赤いドレスのカットは、写真集じゃないと着ない衣装だと思いますし、昔に比べたら無理して着ている感じが薄れたなと思います。前は、どうしても(衣装を)着せられてる感が出てしまっていたので(笑)。無理して着ている感じが薄れたのは、年齢と共に経験を重ねて、ちょっとは大人になれているからなのかなと思います」 『step by step』という写真集のタイトルには、声優/ソロアーティストとしてスタートした今、そしてこれからの歩みに向けた決意が込められている。 「今、声優/ソロアーティストという新しい挑戦を始めたばかりですけど、私はあまりハイスピードで進んでいくと、あとでしっかりやり切れていなかったことに気づいて落ち込むタイプ。だからこそ、迷ったときは見て見ぬふりをせずに自分と向き合い、一歩一歩踏みしめながら着実に自分の土台を築いていかなければならないと思って、自分に言い聞かせています。だから、今回の写真集のタイトルは『一歩ずつ』を意味する『step by step』にしました。もうちょっと時間が経って、いろんなお仕事をさせていただき、その中でたくさんの出会いを重ねた上で、数年後に自分でも見返したくなる。そんな写真集になったと感じています。それにしても、とにかく台湾はすっごく楽しかった!」 (取材・文/大久保和則)