鬼だらけで子どもギャン泣き!200人以上の"鬼行列"が行われる三重県伊賀市の奇祭「上野天神祭」に密着
怖くて泣き叫ぶ子どもたちの視線の先には…鬼!鬼!鬼!たくさんの鬼が練り歩く、珍しい「鬼行列」が名物の祭りが、三重県伊賀市にあります。この祭りで伝統を受け継ぎ、初めての大役に挑むアツいOMATSURIちゃんがいました。鬼の極意は「ひょろつき」!大役を果たす男性に密着しました。 【動画】トラウマ確定「泣けば泣くほど強くなる」!?世にも恐ろしい“鬼行列”の様子がこちら【1分24秒~】
ユネスコ無形文化遺産!400年の歴史を誇る「鬼行列」
2023年10月20日~22日に三重県伊賀市で行われた、ユネスコ無形文化遺産で400年の歴史を誇る「上野天神祭(うえのてんじんまつり)」。豪華絢爛な9基のだんじりが江戸の区画をそのまま残す、風情あふれる街で昼夜問わず曳き回されます。 世界中から集まった観光客は、3日間でなんと19万人以上!だんじりもさることながら、この祭にはもうひとつの名物があります。様々な面をつけた鬼が練り歩く「鬼行列(おにぎょうれつ)」です。 戦国武将「藤堂高虎(とうどうたかとら)」が、山へ眼病を治しに行く様子を譲り受けた面をつけて再現したのが始まりとされ、以来この地には桃山時代以降に作られた42枚の貴重な面が集結。現在は昭和に職人が作り直した面で祭を行い、実物は鬼行列を行う4町内で展示されます。しかし、中には数百年前の激レアなお面を実際に着用して、参列する鬼も! (赤鬼) 「(Q歴史的価値のあるモノを素手で触るのも…)確かに!それを言われると困る。しょうがない、みんなに見てもらいたいから」 お囃子などの人数も合わせ、総勢200人を超える鬼行列。中でも異彩を放つのが、まっすぐ進む他の鬼たちとは明らかに違う、縦横無尽に観客の目の前まで詰め寄り、子どもを泣かせまくる鬼たち「ひょろつき鬼」です。
子どもを泣かせまくる「ひょろつき鬼」に世代交代の波
鬼行列の中心部をゆく4体の「ひょろつき鬼」は、荷物を運ばされる苦悩を、ひょろひょろとした歩き方で表現し、その動きは予測不能!ひときわ観客を沸かせます。ひょろつき鬼が子どもたちに近づくたびに、大きな泣き声が響き渡ります。こんなに子どもたちを泣かせて大丈夫なのでしょうか。 (地元民) 「僕らも子どもの頃から来て泣いて、泣くと良いと言われている。『泣くほど強く育つ』」 鬼に泣かされた子は元気に育つという言い伝えから、親たちも「心を鬼にして」子どもを連れて来るようです。 しかし、泣きたいのは鬼も同じ。本祭(ほんまつり)は朝9時すぎからスタートし、6時間以上かけて練り歩く鬼行列。先頭をのしのしと威厳たっぷりに歩く「悪鬼(あっき)」は、6時間、腕を上げっぱなし!さらに、高さ10センチ以上の一本下駄を履いた別の鬼は、ただでさえ歩きづらいのに、面越しの視界は狭く大変です。19万人の大観衆を前に、まさに「鬼の目にも涙」で奮闘します。 そんな上野天神祭では今年、鬼行列に"特別な試み"がありました。ひょろつき鬼全4体のうち3体を担う、紺屋町(こんやまち)の皆さんに尋ねてみると…。 (ひょろつき鬼) 「われわれも高齢化、世代交代。きのう、若手のひょろつき鬼がデビュー」 4年ぶりの通常開催を機に、今後の祭りの継承に向けて、およそ10年ぶりに若手のひょろつき鬼がデビューしていたのです。