杉良太郎、「なぜ他人ごとなのか。わが事のように考えられないのか」 戦争根絶への願い語り「覚悟を持って、今後も生きていく」
歌手で俳優の杉良太郎(80)が30日、東京・紀尾井町のホテルニューオータニで、芸能生活60周年&福祉活動65周年記念パーティー・傘寿の祝い「感謝の宴」を開催し、約500人が祝福に駆けつけた。 杉は会の終わりに「大変、貴重なお時間を私のお祝いのために使い、駆けつけてくださりありがとうございます」と列席者へ感謝を述べた。これまでの、20歳でデビューしてからの芸能人生を振り返り「御曹司でもなく、名優の息子でもないボウフラのように湧いて出てきた役者は、なかなか生きていくのは大変でした。そのために体を張って、なんでも一身に受けてずたずたになろうと思った。全部自分でやって日本一のギャラを取るようになった」とぽつり。 「そこでブツンときれて、人生これでいいのか、人気とはなんだと、難しく考えるようになった」と明かした。中学3年のころから刑務所で歌を歌い始めた杉は、「80歳になって思い残すこと、なぜ国は戦争を起こすのか、人間は殺し合うのか。戦争を止めなければ明日はないと思う」と力を込めた。 「なんで人は立ち上がらないのか。他人ごとなのか。他国のことか。自分のことのように、なぜ考えられないのか。その思いがずっとある」と思いを巡らせ、「だから、特殊詐欺もなくならない。自分はだまされないと思っているから」と2018年から活動する「オレオレ詐欺予防プロジェクト」にも言及。また、EXILE(エグザイル)ATSUSHI(44)との障害者支援の活動についても言及し、列席していたATSUSHIが涙をぬぐうシーンも見られた。 杉は「世界にはかわいそうな子どもたちがいる。そこに爆弾が降ってくる。私は『行け』と言われたら飛び込む覚悟はできている。25年連れ添ったけれど、これが別れになるかもしれない」と妻で歌手の伍代夏子(62)に視線を送り「覚悟を持って、今後も杉良太郎は生きていきます」と締めくくった。
中日スポーツ