北海道でウエディング写真の撮影はいかが? 海外観光客を狙いセミナー
【北海道・札幌】海外のカップルに結婚記念として北海道で結婚式を挙げ前撮り写真を撮ってもらおう――。インバウンド(訪日外国人観光客)向けのリゾートウエディングの勉強会がこのほど、「かでる2・7」(札幌市中央区)で開かれました。 【写真】外国人観光客を狙え 京都デパ地下“高級お菓子戦争”
沖縄県の先進例を聞く
この「北海道リゾートウェディングセミナー」は、北海道と公益社団法人北海道観光振興機構の主催で行われ、講師としてリゾートウエディングの代表格・沖縄県から県職員や、札幌、函館で地域課題解決を行っている企業の代表らがウエディングとインバウンドについてさまざまな事例を紹介しました。 北海道経済部観光局によると、2014年度における海外から北海道への観光客数はおよそ154万人。翌15年度は40%増の200万人超を予想しています。それだけに結婚式数が減っている日本では、海外からのカップルの呼び込みが急務となっています。 沖縄県の事例では、中国、香港、台湾など東アジアからの流入について興味深い数字が紹介されました。15年度の海外から沖縄への観光客数の地域別順位と、リゾートウエディングの順位が大きく変わるということです。これはその地域の結婚に対する文化が大きく影響しているということで、文化の違いについても検討する必要性が出ました。 また、リーガルウエディングと呼ばれる「挙式先の法律に基づく婚姻届を提出し結婚式を行い、本国の結婚証明書を受領する」という制度については、香港が先進的に進んでいることから、沖縄でのリーガルウエディングは香港のカップルに集中しています。沖縄では県を挙げてリーガルウエディングを推進し、香港、北京、上海にPR活動を行う拠点を置いています。
道内で積極的な函館市
そして、このリーガルウエディングに北海道内で積極的に取り組んでいるのが函館市です。函館ブライダル・ロケーションフォト協議会を組織し、会員企業として21社が名を連ねています。同協議会の特徴は、ブライダルを観光振興につなげるために函館の滞在を楽しんでもらうような取り組みをも行っていることです。 北海道の中心都市・札幌でもウエディング市場の縮小に危機感を抱いていました。そこで、いきなり結婚式という大きなイベントではなく、ロケーションフォトウエディング(結婚を記念した写真撮影)の誘致をメインとした札幌ロケーションフォトウエディング協議会が2011年に設立されました。香港・台湾からのモニターツアーの実施や香港ウエディングEXPOへの出展などを通して、自然(特に雪)を武器に知名度アップを狙っている現状が報告されました。 セミナーはおよそ60名の参加者を交え、活発な意見交換が行われ終了しました。このように、海外からの観光客を北海道ならではの魅力で取り込もうとするリゾートウエディングが今後どのように進化していくのかに注目です。 (ライター・橋場了吾)