「機能性表示食品」届出は1,671社 22社が倒産や廃業 データベース未更新も 15%
届出企業 7割超が資本金1億円未満
「機能性表示食品」を届け出ている1,671社の資本金を分析した。資本金1億円以上は430社(構成比25.7%)にとどまった。 一方、1億円未満(外国法人や一般社団法人など含む)は1,241社(同74.2%)で、 「機能性表示食品」を届け出ている企業は、中小企業が7割超と圧倒的に多かった。
売上高別 100億円以上が375社
売上高別(判明分)では、100億円以上が375社(構成比28.6%)だった。次いで10億円以上50億円未満が337社(同25.7%)、1億円以上5億円未満が231社(同17.6%)、5億円以上10億円未満が133社(同10.1%)、50億円以上100億円未満が127社(同9.6%)、1億円未満が107社(同8.1%)の順。 売上高10億円未満が471社(同35.9%)と約4割に達し、規模の小さな企業の届出が多かった。
都道府県別
届出企業の本社地(実質上含む)を調査した。 最多は、東京都の612社(構成比36.6%)で突出して多い。次いで、小林製薬の本社地でもある大阪府の153社(同9.1%)、福岡県の132社(同7.9%)と続く。
倒産・休廃業解散
届出企業の倒産と倒産以外で事業を停止した休廃業・解散の件数を調査した。 倒産企業は、13件が判明した。消滅型の破産が6件、特別清算が2件だった。再建型の民事再生法は3件、会社更生法は2件にとどまる。 破産した6件を、消費者庁の機能性表示食品データベースで検索すると、販売状況はすべて未更新の「チェックなし」だった。 休廃業・解散は9件だった。 ◇ ◇ ◇ 消費者庁によると、「機能性表示食品」データベースは半年に一度、届出をした企業に情報更新を要請している。しかし、更新に応じなかったり、応答がない企業もあり、半年以上更新していない企業については、「販売中」と「販売休止」のどちらにもチェックを入れない「チェックなし」とし、「本食品の販売状況は、約半年以上、届出者が更新していないため不明」と表示しているという。 「チェックなし」の未更新は、倒産企業だけではない。事業を継続している企業も更新が滞り、すでに社名が変わっている企業が旧社名のまま登録されていたり、大手企業でも未更新の製品が多くみられた。 このデータベース情報では、機能性表示の確認や問い合わせが十分にできない可能性もあり、消費者の信頼を失いかねない。特に、機能性表示食品を主力にする企業では、今回の問題によるレピュテーションリスクで深刻な打撃を受け、業績への影響は今後、より波及するだろう。小林製薬の事件を契機に、「機能性表示食品」の信頼回復には制度や運用の抜本的な見直しを検討すべきだ。