日経平均は小反落、米ハイテク株安を意識 売買代金は5兆円台
[東京 21日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は、前営業日比36円55銭安の3万8596円47銭と、4営業日ぶりに小反落して取引を終えた。積極的な材料が見当たらない中、前日の米市場でのハイテク株安が意識された。日経平均・東証株価指数(TOPIX)ともに方向感を欠く値動きに終始した。前日に年初来最小となった東証プライム市場の売買代金は再び増加基調となり、5兆円台となった。 日経平均は24円安でスタートした後、プラス圏とマイナス圏を行き来する値動きが続いた。20日の米国市場での米半導体大手エヌビディアの株価下落を受けて、国内の半導体関連株は総じてさえなかった。新規の材料に乏しい中、IHI、川崎重工業などバリュー株の一角はしっかりだった。 TOPIXは0.03%安の2724.69ポイントで取引を終えた。東証プライム市場指数は前営業日比0.03%安の1402.42ポイント。プライム市場の売買代金は5兆2859億0700万円だった。売買代金は前日までの4日間連続で3兆円台となっていたが、きょうは大引けに大量買いが発生。市場では「ファンドの配当再投資や、高速取引(HFT)が影響している可能性がある 」(信託銀行ストラテジスト)との見方があった。 東証33業種では、倉庫・運輸関連、電気・ガス、不動産、ガラス・土石製品など18業種が値下がり、海運、保険、陸運、パルプ・紙など15業種が値上がりした。 みずほ証券の中村克彦マーケットストラテジストは「海外投資家不在で、明確な材料がない中、日経平均・TOPIXともに75日移動平均線が意識されている」と指摘。ただ、終値では両指数はともに75日線(3万8946円、2730ポイント)を下回っており、来週は一段安となる可能性があるという。 主力株では、ソフトバンクグループが株主総会での孫正義会長の発言を受けて不安定な値動きとなり、3.14%安。1銘柄で日経平均を約63円押し下げた。そのほか、TDK、信越化学工業、アドバンテストもさえなかった。半面、ファーストリテイリング、ディスコはしっかり。IHI、川崎重工業は2─6%高となった。 新興株式市場は、東証グロース市場250指数が0.03%安の637.98ポイントと、小幅に反落した。きょうグロース市場に新規上場したMFSは公開価格を8%下回る368円で初値をつけ、371円まで上値を伸ばし、345円で引けた。 東証プライム市場の騰落数は、値上がりが672銘柄(40%)、値下がりは919銘柄(55%)、変わらずは55銘柄(3%)だった。 終値 前日比 寄り付き 安値/高値 日経平均 38596.47 -36.55 38608.66 38,532.13─38,795.68 TOPIX 2724.69 -0.85 2734.32 2,724.69─2,749.09 プライム市場指数 1402.42 -0.43 1408.26 1,402.42─1,414.99 スタンダード市場指数 1258.74 +1.85 1257.63 1,257.63─1,261.28 グロース市場指数 823.22 +0.32 823.42 823.22─830.40 グロース250指数 637.98 -0.17 638.69 637.98─644.43 東証出来高(万株) 204499 東証売買代金(億円) 52859.07