音別メガソーラー、事業中止求め市長に要望書
北海道釧路市音別町馬主来沼で計画されているメガソーラー(大規模太陽光発電施設)について、音別地区連合町内会(鈴木幸雄会長)と音別町パシクル湿原を守る会(村上有二代表)、釧路自然保護協会(神田房行会長)は28日、事業の中止を求める要望書と署名2万3040筆を蝦名大也市長に提出した。 メガソーラー事業は、Sakura2合同会社(東京)が進める(仮称)HOKA7。タンチョウなど希少種の繁殖地があり、環境省の重要湿地に指定された馬主来沼やアイヌ伝統文化空間(イオル)に隣接する土地約330㌶に、太陽光パネルを設置する計画。昨年12月に無許可で保安林内に水路を掘削する違反行為があり、道から行政処分を受けた。 事業者はこれまで2回開いた住民説明会で、掘削した水路の原状復旧を行うとしているが、要望書を受け取った蝦名市長は「自然環境は一度壊したら原状復旧は不可能」とし、事業継続は難しいとの見方を示した。市は太陽光発電施設の設置に関するガイドラインを昨年7月に制定し、年度内には条例を策定する考えだが、罰則がないことから「環境をどうやって守るか専門家を交えて相談したい」と述べた。 神田会長は「事業者はいまだに計画をやめようとしていない。市と協力し、なんとか事業者が自ら引き下がるよう持っていきたい」と話した。
釧路新聞