和食の腕を上げるなら知っておきたい、和包丁の種類と持ち方のイロハ
和包丁の種類と役割
和の包丁は奥が深い。大ざっぱに数えても15種類、さらに分類すると30種類。そのどれもが繊細な役割を担っている。見た目、食感、味、五感を総動員して楽しむ魚料理の極意は、包丁に宿っている。
出刃包丁は包丁の基本にして完成形
魚をおろす時の最初の一本として、マストアイテムともいえる「出刃包丁」(写真右)。刃の厚みとその重さは、力を入れても刃先がしなったり、曲がったりしないように考えられ、簡単な刺身を造ることまでできる和の万能包丁だ。 出刃包丁は刃渡り10cmの小出刃から、15mm(五分)ごとに大きくなる。家庭用なら最初の一本は15cm(五寸)がおすすめ。ただし、刃渡りを決める基準は「どんな魚をさばくか」。小魚が多ければ12cmの小出刃が扱いやすい。大きい魚を頻繁に切るようなら18cmから19。5cmの大き目の出刃が必要である。
包丁の花形選手、刺身包丁
その名の通り、生魚を美しく、シャープな断面で切るための「刺身包丁」(写真左)。切れ味がそのまま刺身に映し出されてしまうだけに、特に手入れがカギになる。プロの料理人は客の目の前でさばくこともあるため、使い勝手以外に見た目にも気を使う包丁だという。 最もポピュラーで、最初の刺身包丁としても使いやすいのは柳刃。元来、関西では切っ先の角張った蛸引を刺身包丁として用いていたが、切っ先部分が小出刃の役割にもなり、刃先が曲線で使いやすいことから、最近では関東でも柳刃(関東では正夫=しょうぶの名称を用いることもある)が多く使われている。 刺身包丁はワンストロークで刺身を引き切るための道具。専門店であれば、大体どの店でも刃渡り21cmから36cmまで3cm(一寸)刻みで揃うが、家庭用なら24cm、やや長めで27cmあたりがおすすめだ。 「刺身包丁」をAmazon。co。jpで見る。
包丁の持ち方3つの型とそれぞれの利点
包丁の持ち方は大きく分けて3つある。微妙な力加減をコントロールできる「指差し型」、力が必要な時に安定して切れる「押さえ型」、一定のリズムで刻むのに向いている「握り型」だ。持ち方は、「この包丁はこれ」と決まっているわけではない。同じ出刃包丁でも、切る対象や切り方、使う包丁によって持ち方は異なってくる。