将来はメジャー級の選手?「中日の21歳成長株」評価が急上昇
育成からはい上がったクローザー
中日はキューバ出身の選手が活躍してきた歴史がある。育成入団から球界を代表するストッパーに上り詰めたのが、ライデル・マルティネスだ。2017年2月に中日に育成枠で入団。剛速球が魅力だったが、制球力、変化球の精度、フィールディングなどに課題を抱えていた。コツコツと努力を重ねてステップアップし、18年4月に支配下に昇格すると、守護神に抜擢された20年10月2日のDeNA戦(横浜)で自己最速の161キロを計測。同月17日の広島戦(マツダ広島)で24イニング連続奪三振をマークし、セ・リーグ新記録を樹立した。 22年は自己最多の56試合登板で4勝3敗39セーブ5ホールド、防御率0.97で、自身初の最多セーブ投手のタイトルを獲得。昨年も48試合登板で3勝1敗32セーブ9ホールド、防御率0.39と驚異的な安定感だった。 絶対的守護神の座を確立しても、向上心旺盛な姿勢は変わらない。マルティネスはシーズンを終えて週刊ベースボールの取材で、こう語っている。 「キューバに帰ってからも練習するよ。シーズンの中で悪かった部分や修正する部分をちゃんと考えながら、という感じかな。そして良い部分は伸ばしていく。そのバランスがうまくいっているから、今年もこの数字(32S、防御率0.39)になっているのだと思う。自分の場合は、球速(自己最速161キロ)に注目が集まることが多いんだけど、自分の中では球速はそこまで気にはしていないんだ。でも、まだ伸びるんじゃないかなとは思っている。そのためには、まずトレーニング。球速はあとからついてくるもの。自分でも楽しみにやるよ。今年は9月に離脱してしまったので、まずは1年投げられるように。健康体で日本に帰って来られるようにしたいね」 ビシエド、マルティネスと日本球界で活躍する先輩たちの姿は、よきお手本になる。ロドリゲスもジャパニーズドリームをつかめるか。 写真=BBM
週刊ベースボール