国登録文化財を町民見学 すさみ・佐本地域の「福田家住宅」、和歌山
和歌山県すさみ町立歴史民俗資料館は8日、同町佐本東栗垣内にある国登録有形文化財「福田家住宅」の見学会を、町民対象に開いた。8人が参加し、普段入ることができない敷地内を巡った。 【伝統芸能 守りたい 町を越え獅子舞で交流、和歌山県の串本、すさみの記事はこちら】 古座街道沿いにある福田家住宅は、江戸末期から大正時代に建てられた。地域性を生かした造りと保存状態の良さなどが評価され、2012年2月に国の登録有形文化財(建造物)に登録された。 町民にもあまり知られていない貴重な文化財を知ってもらうことなどを目的に見学会を開催。参加者は、主屋、離座敷、納屋、風呂などを巡り、住宅裏(山側)にある石垣や室内に飾られた当主の肖像画などに興味を示していた。 正面の石垣は高さ4メートル、総延長98メートル。城のような精巧な造りで、町内で暮らしていたという石工集団「黒鍬衆」が造った可能性が高いとされている。 同町太間地の広田恭典さん(69)は「外から石垣を見たことはあったが、中に入るのは初めて。石垣も中も素晴らしい」と話した。 資料館では、福田家住宅の写真などを展示した特別展を今月末まで開いている。無料。
紀伊民報