日米同盟の「創世神話」…自民党がもらっていた巨額の「秘密資金」と「選挙についてのアドバイス」
アメリカによる支配はなぜつづくのか? 第二次大戦のあと、日本と同じくアメリカとの軍事同盟のもとで主権を失っていた国々は、そのくびきから脱し、正常な主権国家への道を歩み始めている。それにもかかわらず、日本の「戦後」だけがいつまでも続く理由とは? 累計15万部を突破したベストセラー『知ってはいけない』の著者が、「戦後日本の“最後の謎”」に挑む! 【写真】なぜ「日本の戦後」だけがいつまでも続くのか?…日本の「末期的状況」とは ※本記事は2018年に刊行された矢部宏治『知ってはいけない2 日本の主権はこうして失われた』から抜粋・編集したものです。
日米同盟の創世神話
上の写真(↑)はアイゼンハワーとともに写った、有名なゴルフ場でのものです。 そこに写っているのは、条約調印の写真から約2年半前(1957年6月19日)、首相として初の訪米時に、ワシントン郊外の超名門クラブである「バーニング・ツリー・カントリークラブ」でティーショットを放った瞬間です。 戦後の日米関係の神話では、この日、最初の首脳会談で岸をすっかり気に入ったアイゼンハワーが、会談の終了後、突然、自分のホームコースでのゴルフに誘った。 そしてラウンドしたあと、ふたりで真っ裸でシャワーをあび、アイゼンハワーが、 「ゴルフだけは本当に気の合う相手としかできない」 と新聞記者たちに語った―。これがその後の「日米同盟」のスタートを告げる、輝かしい創世神話となったわけです。だからおじいさんにあこがれる安倍首相は、あれほどトランプとゴルフをやりたがる。 けれども実際は、そんな甘い話であるはずがないのです。そもそもゴルフというゲー ムは、なんの準備もなく突然誘われて、すぐにプレーできるものではありません。 岸の訪米については、この超名門クラブでのゴルフだけでなく、ヤンキー・スタジア ムでの始球式や、議会の両院での演説など、あらかじめいくつもの完璧なセッティング がなされていました。しかし、それではいったいなぜ岸は、まだなにも仕事をしていな い就任当初から、それほど高い評価をアメリカ政府から受けていたのでしょうか。