「グラディウスの赤い丸いやつ」オプションの謎 敵に当たっても壊れないのはなぜ?
『グラディウス』の主人公機を象徴する武器
ファミコン時代の不朽の名作シューティングゲーム『グラディウス』の特徴的な仕様に、自機である「ビックバイパーのパワーアップ」があります。敵を倒すことで出現する「パワーカプセル」を取ると、パワーアップできる兵装が変わっていき、プレイヤーが好きなもの選ぶことができます。序盤で最も重要となる「スピードアップ」、下方向を攻撃できる「ミサイル」、敵の弾を防ぐ「バリア」がなどあります。なかでも、『グラディウス』を象徴するのは「オプション」ではないでしょうか。 【画像】え…めっちゃ頼れる! これが正体は不明「赤い丸いやつ」です(5枚) オプションはビックバイパーに追随し、本体と同じ武器を発射します。オプションをひとつ付けるだけで攻撃力は2倍になり、さらに複数付けることもできます。しかも、オプションはビックバイパーが止まるとその場にとどまるため、破壊可能な敵をガードするバリアとして扱ったり、障害物の近くを攻撃させたりと、プレイヤーのクリエイティブなプレイを引き出す存在でした。 ちなみに『グラディウスポータブル公式ガイド~レジェンドオブ1・2・3・4・外伝~』(コナミ)によると、ビックバイパーという名前は、オプションが編隊を組むところから、戦闘機のV字編成を意味する「VIC」、さらにオプションが蛇のような動きをするので、毒蛇を意味する「VIPER」をあわせた呼称であると記されています。まさに、オプションはビックバイパーの象徴たる兵装であるといえるでしょう。 ファミコン時代からのゲーマーなら誰もが知るオプションについて、その「正体」はご存じでしょうか。赤く光り、敵や障害物にあたっても壊れることはなく、ビックバイパーと同じ攻撃をすることができるところから、実体のない超常的な存在のようにも思えます。ところが、作品によってはこのオプションをさらっていく「オプションハンター」という敵も出現します。
オプションの正体が垣間見えるシーンとは?
実のところ、オプションの正体がなんであるか、論理的に説明できるような資料を見つけることはできませんでした。ただ、ひとつヒントはありました。それはPlayStation 2用ソフト『GRADIUS V』のオープニングです。たった数秒ではありますが、宇宙空間で華麗に戦闘するビックバイパーから、オプションが排出される様子を見ることができます。小型ポッドのようなものが飛び出すとプロペラを展開し、全体が赤い光に包まれ、ビックバイパーに追従していきます。 ここから想像するに、オプションの赤い光の大部分に実体はなく、コアとなるポッドさえ無事であれば、障害物も敵もすり抜けられると考えられそうです。敵や障害物のグラフィックと重なってもコアとなるポッド部分は実は避けていると解釈すれば、ゲーム上では「無敵」でもおかしくはありません。そしてオプションハンターだけは、ポッドを的確に狙ってくる、とすればつじつまは合いそうです。 果たして、この考察は合っているのでしょうか。『グラディウス』のナンバリングタイトルは長らく発売されていませんが、いつか最新作が発売され、この謎に決着をつけてくれることを切に願います。 (C)Konami Digital Entertainment Arcade Archives Series Produced by HAMSTER Co.
田下広夢