「鯖番」「ケミ」「チッケム」何個答えられる?… Z世代にいまさら聞けない、K-POPファン用語
「あのケミ尊い」「かわいいマンネ」「うちの1Pick」「ペンミ当たった!」……こんな言葉を聞いたことはあるだろうか。どれもK-POPファンたちの間で使われるワードだ。日本とちょっと違う推し文化を持つ、これらK-POPの用語も、ファンには定着している。知らないと恥ずかしい(?)、K-POPの“推し活”に使える常識ワードと習慣をピックアップしたい。 【かわいいのおしくらまんじゅう……!】制服風衣装がまぶしすぎるHKT48のWセンターと田中美久 ◆日本で言う「推し」は、韓国では何と言う? 男性グループならBTS、SEVENTEEN、Stray Kids、女性グループもIVE、 LE SSERAFIM、NewJeansなど、K-POPグループも日本の音楽シーンを担って久しい。さらには、当初韓国で行われていたサバイバルオーディション番組の日本版『PRODUCE 101 JAPAN』で選抜されたボーイズグループのJO1、INI、ガールズグループのME:I、日韓合同オーディションプロジェクト発のNiziUも広義のK-POPに数えられるだろう。 これらK-POPグループのファンが使う言葉は、日本のエンタメファンが使うものとちょっと違う。例えば日本語ですっかり定着した「推し」はK-POP界では「Pick(Pic)」という。 英単語の意味そのままに推すメンバーを「選ぶ」という感覚だが、これがオーディション番組と結びつくと、「1Pick」「2Pick」「11Pick」……のように、冒頭に数字がつく。選考が進むにつれてファンが投票できる票数が減っていく仕組みで、投票したい推しを絞っていかないといけない。その際の投票数をこのように表す。また特定のメンバーに全ての票を投じることもでき、その場合は「1Pick継続」のように言う。とにかく、いちばん好きな存在に向けるワードが「1Pick」だ。 K-POPにつきものの、数多くの候補生の中から投票でデビューメンバーが絞られていくサバイバルオーディション番組や、そのシステムそのものも「サバ番」「鯖番」「鯖」のように略される(鯖は「サバイバル」、番は「番組」の意)。「今度の鯖番、私の1Pickが厳しい」は、「いま開催中のオーディション番組で、いちばん推している候補生の票が伸び悩んでいてデビューが厳しい」という意味になる。 他にも、主に韓国語を引用したワードでのやり取りがファンの間で定着している。 ・オンニ 「お姉さん」の意味で、血縁関係がなくとも女性への呼びかけとして使われる。また、グループの中の年長者メンバーに対しても、1対1で相対的に年上のメンバーに対しても「オンニ」と呼ぶ。 ・ヒョン 「お兄さん」の意味で、女性グループにおけるオンニと同様、男性グループにおいて年上のメンバーを指す。 ・ヌナ/オッパ 実は「オンニ」「ヒョン」は、韓国語では厳密には同性から同性への呼びかけにしか使われない。男性から女性への呼びかけは「ヌナ」、女性から男性への呼びかけは「オッパ」となる。故に男性ファンがガールズグループのメンバーを指す時は「ヌナ」となったりするが、ファン同士で使う分にはさほど厳密ではない。 ・マンネ グループで最年少のメンバーのこと。マンネは韓国語で「末っ子」で、日本でも韓国でも最年少メンバーは愛されるポジション。ファンは親しみをこめて「マンネ」と呼んでいる。 ・ヨジャ/ナムジャ 韓国語でヨジャは「女性・女の子」、ナムジャは「男性・男の子」の意味。そのまま「あの子」のように誰かを指してヨジャ・ナムジャと言う。さらに「グループ」をつけて女性グループは「ヨジャグル」、男性グループは「ナムジャグル」と呼ぶ。 ・ケミ 「二人の相性の良さ」を意味する。「Chemitsy:化学反応」から転じて、特定のメンバー二人の仲の良さを意味するようになった。シンプルに「二人組・コンビ」を指しても使われる。グループの中でも仲の良いメンバーを「〇〇と××のケミ最高」「ケミ尊い」というように使う。 ◆「白岩ペン」は文房具ではない! まだまだ続く専門用語の中級~上級編! ・ペン/ペンミ ペンとはファンのこと。「〇〇のペン」のように使い、日本でよく使われる「ファン」「オタク」を使うことは少ない。ペンミは「ファンミーティング」を指し、またペンはメンバーの名前とつなげて使うこともある。「白岩ペン」といえば、「JO1・白岩瑠姫のファン」を意味し、筆記用具のペンではない。 ・ファンダム ペンと似ているが、こちらは英語由来で「ファンの集団」の意味。ペンがファン一人ひとりを指すのに対し、ファンダムはグループのファン全体を指す。なお、K-POPグループはそれぞれのファンダムに「ファンネーム」という固有の愛称をつける習慣が定着している。JO1は「JAM」、INIは「MINI」、LE SSERAFIMは「FEARNOT(ピオナ)」という具合だ。 ・チッケム 特定のメンバーをクローズアップして撮った動画のこと。日本語では「推しカメラ」。パフォーマンスや表情をじっくり見られることからファンに人気のコンテンツでもある。 ・ヨントン 「ビデオ通話」の意味で、オンラインでメンバーと会話できるイベント、いわゆるミート&グリート(著名人とファンが交流するイベント)を指して用いる。 ・〇〇ライン 生まれ年を意味し、「01line」なら’01年生まれのこと。「私は01line」のようにファンの自称でも使う。 ・センイル 韓国語で「誕生日」を意味し、日本同様にファンやグループの仲間によって祝われる。 こんな風に、韓国語や英語を交えて独特のワードが飛び交うのがK-POPの“ファンダム”である。 知っていれば「今度ピオナのチェウォンペンのリア友と、01ライン同士でペンミに行く」というような、一見意味不明な文も「LE SSERAFIMのキム・チェウォンのファンの友だちと、’01年生まれ同士で一緒にファンミーティングに行く」と分かるようになる。K-POPひいては韓国や若者文化を知る「異文化交流」のきっかけになるかもしれない。 文:桂 アンリ
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