7月FOMC、FRB議長証言次第でライブ会合-FF金利先物に動き
(ブルームバーグ): 米連邦準備制度の最初の利下げを巡る市場コンセンサスはさておき、ウォール街では、フェデラルファンド(FF)金利先物市場での二つの大きな賭けが注目を集めている。
連邦準備制度が7月にも利下げに動くという期待の高まりでいずれも利益が得られる。連邦公開市場委員会(FOMC)の次回政策決定(7月31日)までの期間に織り込まれている金融緩和が1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)に過ぎない状況を考えると、現実離れしているとなお思えるが、利下げを支持する市場モメンタムの強さをうかがわせる。
パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が7月9日に予定する上院委員会での証言は、市場の金利見通しを変化させる一つのきっかけになり得る。6月の雇用統計発表の翌週、同月の消費者物価指数(CPI)公表の2日前に証言は行われる。
トレーダーは経済指標や政策担当者の発言に手掛かりを求めながら、米金融政策の軌道に関する見解を微調整してきた。市場は今では11月と12月に0.25ポイント幅の計2回の利下げを完全に織り込んでいる。FOMC参加者のドットプロット(金利予測分布図)では、年内の利下げが従来より少ない0.25ポイント1回だけとの想定が示されていた。
これまでのところ8月30日に満期を迎えるFF金利先物8月限のポジションが積み上がり、7月31日の金融政策発表が意識されている。これらの約定は、9月のFOMC会合の政策決定に伴う影響を受けない。
奴隷解放記念日の米祝日(19日)で投資家がデスクを離れていたこともあって、18日のある取引が20日に新たなリスクポジションとして認識された。この5万5000枚の買いは1bpの変動が230万ドル(約3億6500万円)のリスクに相当する。7月の政策決定が五分五分になると市場が予想する場合、レバレッジドポジションから約2800万ドルの利益が得られる。
同じような大口の買いは先週も出現し、リスクウエーティングは1bp当たり約125万ドルだった。