【バスケ】“本調子”を取り戻した琉球ゴールデンキングスの岸本隆一 西地区優勝へ「土曜日で決めたい」
Bリーグ西地区首位の琉球ゴールデンキングスは20、21の両日、ホームの沖縄アリーナで同6位の長崎ヴェルカと対戦した。1戦目は98ー67で大勝した一方、第2戦はプレーの強度を高めた長崎を前に84ー91で敗北。通算成績は40勝16敗となり、地区優勝マジックは「2」となった。 長崎との2戦目はレギュラーシーズン最後のホーム戦だったため、チームとしては連勝したかったのが本音だろう。ただ、この連戦では結果以上に注目すべきポイントがあった。ゲームメイクや勝負強いシュートを武器とするチームの顔役、岸本隆一の状態である。 2節前の島根スサノオマジック戦で右手首を痛め、患部に白いテーピングを巻いて臨んだ前節の佐賀バルーナーズ戦はシュート7本(うち5本が3P)を打って成功はゼロ。打った後に首を傾げる場面も多く、明らかに本調子とは程遠いパフォーマンスだった。岸本は現在、3P成功率がリーグで5位の40.5%に上る。もし岸本が調子を落としたままチャンピオンシップ(CS)に突入すれば、琉球が勝ち上がるのは困難だと言わざるをえない状況だった。 結果的に、その心配は杞憂に終わった。長崎との2試合は合わせてフィールドゴール成功率が6割を超え、そのうち3Pは8本中4本を成功。胸を撫で下ろしたファンは多かっただろう。
手首のテーピング外す「3Pが決まって嬉しかった」
佐賀戦からわずか中二日で迎えた第1戦。いつも通り先発でコートに立った岸本の右手にテーピングはなかった。第2戦の後に会見室に姿を見せた岸本は、連戦の前の状態についてこう語った。 「前節はテープを巻いてやったけど、どうしても気になりました。感覚的に良くなくて、テープを外して練習していました」 それでも第1戦では、試合開始から間もなく相手ディフェンスに体を当てながら力強いドライブを仕掛け、ファウルを受けながら左手でレイアップを成功。第3Qでは正面からクイックモーションで3Pを放ち、スウィッシュでゴールを射抜いた。 これがこの試合1本目の3P成功。ボールがリングを通過した瞬間、一度しゃがんでから飛び上がるような仕草を見せ、満面の笑みも。自身もシュート感覚に不安を抱えていたことがうかがえるシーンだった。 「テープを外して練習していて、そんなに痛くないはずなんだけど、それでも嫌な感じが残っていました。だから『早く一本決めたいな』と思っていました。第1戦は特に。そしたら感覚的にも気持ち的にも楽になって、必要以上に集中力を持っていかれないんだろうなと思っていたので。その意味で(決まって)嬉しかったし、みんなも少なからず期待してくれていたと思うので、心配をかけていた分の嬉しさもありました」 記者から状態を聞かれた際も「もう大丈夫です。100%ゲームに集中できています。僕自身、感覚も戻ってきています」と語り、柔らかい笑みを浮かべた。