お金があれば、本当に幸せに? 年収800万円幸福ピーク説も 所得と幸福度の微妙な関係
物質的な豊かさではなく精神的な豊かさを
最後に興味深い話をご紹介しましょう。レスター大学の社会心理学者エイドリアン・ホワイト教授による2013年の世界幸福度指数ランキングによると、ブータン王国が北欧諸国に次いで8位、我が国日本は90位という結果がでています。ブータン王国の幸福度が高い理由は、GDP(国民総生産)ではなくGNH(国民総幸福量)を重視する国家方針にあるようです。GNHとは、経済的な豊かさではなく、精神的な豊かさを重んじる考え方を指します。 しかし、そんなブータン王国も近年は幸福度が低下しており、2019年に95位にランクインして以降、同ランキングには登場していません。かつては情報鎖国によって幸福度が高かったものの、情報社会となった近年ではさまざまな情報が流入し、他国と比較することで相対的な満足度が大きく低下してしまったようです。 大事なのは「お金=幸せ」という固定観念に捕らわれることなく、自分なりの幸せを見出すことなのかもしれません。 【監修】佐藤有希子(さとう・ゆきこ)愛知県在住。3級ファイナンシャル・プランニング技能士。2017年よりWebライターとして活動を始め、主に金融・お金に関する記事の執筆を行うこれまで携わった記事は800以上。 (まいどなニュース特約・)
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