印財閥アダニ、会長ら起訴で新たな危機 モディ政権に火の粉も
Nikunj Ohri Dharamraj Dhutia [ニューデリー 21日 ロイター] - 富豪として知られるインド財閥アダニ・グループのゴータム・アダニ会長が20日、贈賄や巨額詐欺に関与した疑いで米検察当局に起訴された。アダニ・グループにとっては昨年の会計不正疑惑に続く、新たな危機となる。会長と同郷のモディ首相に火の粉が飛ぶ恐れもある。 アダニ会長、会長の甥でアダニ・グリーン・エナジー幹部のサガル・アダニ氏、アダニ・グリーン・エナジーのビニート・ジャエイン元最高経営責任者(CEO)は証券詐欺、証券詐欺の共謀、電信詐欺の共謀で起訴された。 21日のインド市場では、アダニ・グループの株・債券が急落。疑惑の渦中にあるアダニ・グリーン・エナジーは6億ドルの社債売却を取りやめた。 アダニ・グループは声明で、「(疑惑は)根拠がなく否定する」と表明し、あらゆる可能な法的手段を取る方針を示した。 アダニ・グループを巡っては昨年、空売り家のヒンデンブルグ・リサーチが、会計粉飾やタックスヘイブン(租税回避地)を利用した脱税などを指摘するリポートを発表。グループの株・債券が急落した。今もインド証券取引委員会(SEBI)の調査が続いている。 モディ首相は、アダニ会長と同じ西部のグジャラート州出身。野党からはかねて、アダニを「ひいき」しているとの批判が出ていた。野党・国民会議派は21日、アダニ・グループによる不正疑いを議会が調査するよう改めて求めた。