【LiLiCoのこの映画、埋もらさせちゃダメ!】『007』『キングスマン』シリーズを生み出した国だからこそのスパイ映画の面白さが炸裂『ARGYLLE/アーガイル』
子どもと大人が向き合う余裕と意識を育てていただくために絶好の映画
さて、次は『ロッタちゃんと赤いじてんしゃ〈2Kリマスター版〉』と『ロッタちゃん はじめてのおつかい〈2Kリマスター版〉』の2作。1992~93年製作のスウェーデン映画が、リマスター版で再上陸しました。これはスウェーデンでは知らない人がいない作家アストリッド・リンドグレーンによる『ロッタちゃん』シリーズという児童文学が原作。5歳のロッタちゃんと彼女の相棒でブタのぬいぐるみ・バムセを主人公にしたほっこりヒューマンドラマです。 日本では2000年に2作公開され、超ロングランヒットをしたんですが、もう24年も経ってる……(笑)。知らない人が多くなって当然。90年代~00年代はじめにかけて日本でおきたミニシアターブームで大ヒットした傑作がいくつもありますが、『ロッタちゃん』シリーズはその中のひとつ。そのムーブメントのすごさはもちろんですが、そのときにヒットした作品がどれだけ素晴らしい作品かを、当時よりもいい映像と音響で楽しむことができる機会です。 このシリーズはスウェーデン育ちの私にとっては特別なものですが、描かれていることはすごく普遍的なんですよ。テーマは“子育て”“子の自立”。ロッタちゃんはとてもわがままですが、彼女を叱ってしつけるのではなく、本人の考えを尊重してのびやかに育てることで芽生える自立心を描いているんですね。 これって、ここ日本で子育てをして悩んでいるお父さんお母さんたちには絶対に知っていただきたいこと。たしかに北欧と日本では環境や社会が違いますが、子どもが幸せになってほしい、という思いは一緒ですよね。きちんと子どもと大人が向き合う余裕と意識を育てていただくために絶好の映画だと思いますよ。 子育てしていない人にも注目していただきたいのは、北欧の田舎町の風景や人の温かさ。久しぶりに観て、あー早く行きたい帰りたい!って思っちゃいました。みなさんもこれを観て、スウェーデンに遊びにいらしてね。