自分の葬儀について相談、足立区に「終活カフェ」…日常では敬遠されがちな話題を「気軽に相談」
カフェの運営には区内で介護事業を行う合同会社「One」が協力。ゴム手袋などの必需品も販売されているほか、コピー機などもあり、仕事をすることもできる。区内の介護事業会社に勤務する高橋光敏さん(41)は「カフェで休憩をしつつ、事前に葬儀の流れなども知ることができる。施設の利用者や家族の安心にもつなげられ助かっている」と話した。
田中さんは「色々な場面で地域の人に頼られる場所にしていきたい」と話す。カフェの営業は原則平日の午前10時から午後5時。問い合わせは、孝行舎(0120・81・5548)へ。
「語り合う場が必要」専門家指摘
医療介護情報サービス会社「エス・エム・エス」(東京)が昨年12月、60歳以上の親を持つ男女約1000人に実施した調査では「親と終活について話したことがない」との回答が66・4%に上った。同社は「終活については、話しにくく、切り出しにくい話題だと感じる人がまだ多いのが実態なのでは」と分析している。
志学館大の吉川直人講師(社会福祉学)は「高齢化が進む『多死社会』で、死について向き合うひとつの形態として終活カフェのように語り合う場が求められている」と指摘し、「みとりや葬儀の新たな形態が模索されるなか、今後もこうした取り組みは増えていくのでは」と話した。