中免で乗れて70万円台のトライアンフ「スクランブラー400X」の実力に感服
■スクランブラーらしいハンドリングに作り込まれている
実際にまたがってみても、ハンドルが900mmを超える幅広のものが付いていることもあり、「スピード400」とはだいぶ異なる感覚。ナックルガードが装備されていたり、トライアンフのロゴが入ったパッドが装着されているのもオフロード車っぽく、気分が盛り上がります。 サスペンションストロークが伸ばされていることもあり、835mmと高めですが車体がスリムで軽量なので、片足で支えるのにはあまり気を遣うことはありませんでした。前後分割式でタックロールタイプとなっているシートはクッション性が良く、座り心地は上々です。 トルクがあってパワフルなエンジンの印象は「スピード400」と同様ですが、着座位置が高く、ハンドルもアップライトなので先の見通しが良く、余裕を持ってライディングできる感じ。サスペンションストロークが長めなこともあり、ハンドリングも少し高い位置から倒れ込んでいくイメージです。なんとなくですが、乗っている感じは昨今流行りのアドベンチャーマシンに近い感覚でした。 フロントタイヤが大径で細身になっていることでハンドリングは軽快ですが、段差などを超えても安定感が高い。ちょっとした未舗装路にも踏み入れてみましたが、特に不安なく走れました。路面のグリップを感じやすく、よく効きながらもコントロール性がいいブレーキのおかげもありそうです。 「スピード400」と共通する部分の多い「スクランブラー400X」ですが、ハンドリングや走破性はきちんとスクランブラー的に作り込まれている印象。このスタイルが好きで、街乗りを中心に使うのもありですが、アドベンチャーマシンっぽさを活かしてツーリングに出かけ、その先で出会ったちょっとした未舗装路にもチャレンジしてみる。そんな使い方が一番似合いそうなマシンでした。ちなみに価格は78万9000円。中免で乗れてこの価格となると、俄然興味が湧いてきませんか?
<取材・文/増谷茂樹>