どうする?村田諒太。ブラントが五輪ライバルとV1戦計画で直接再戦消滅
元WBA世界ミドル級王者、村田諒太(32、帝拳)が2度目の防衛戦で判定負けした新王者のロブ・ブラント(27、アメリカ)が、来年2月15日に米国・ミネソタのミネアポリスで、ロンドン五輪銀メダリストで同級5位のエスキバ・ファルカン(28、ブラジル)との初防衛戦を計画していることが明らかになった。米の権威あるボクシング専門誌「リング誌」が報じたもの。同試合はトップランク社が放映契約を結んでいるESPNによって全米中継される。 ブラントは10月20日にラスベガスで村田の持つWBAタイトルに初挑戦。村田の右ストレート対策を徹底し、1ラウンドから12ラウンドまで手数が止まらない豊富なスタミナで村田に3-0の大差判定で勝利した。全米有数のプロモーターであるトップランク社は、村田戦後に、長年ブラントをプロモートしてきたグレッグ・コーエン氏を口説きブラントと契約、傘下に収めた。 ブラントも「伝統あるトップランク社と契約できて興奮している」と、ビッグマッチが組まれる可能性のあるトップランク社との契約を歓迎していた。ちなみにトップランク社は帝拳とも提携、村田のプロモートも任されている。 そのトップランク社が、さっそく初防衛戦としてマッチメイクしたのが、村田に2012年のロンドン五輪ミドル級決勝で敗れたファルカン。ファルカンは、2014年にプロ転向。同じくトップランク社と契約、ここまで22勝無敗、15KOの戦績を残している。 リング誌は、「ファルカンはここまで名のあるボクサーと対戦していない」と指摘したが、元五輪メダリストに商品価値を求めるトップランク社の“秘蔵っ子”で、度々、村田の対戦相手としてもリストアップされていた。 村田は、ブラントの挑戦を受ける際に再戦契約を結んでおり、トップランク社CEOのボブ・アラム氏も、「日本で再戦できる」と明言していたが、先に初防衛戦が計画されたことでダイレクトリマッチは消滅することになった。 ただ、そもそも特別な理由がない限りダイレクトリマッチは禁じられているし、ブラントvsファルカンの試合結果が、どちらに転ぼうと、両選手共にトップランク社の契約選手。村田vsファルカンの五輪再戦カードにもドラマ性があるため、村田に再起の意欲さえあれば、再び世界戦リングに上がれる可能性は残った。 ブラント戦の敗戦後、自らの去就について保留してきた村田は、年内には、引退か再起かについての決断を表明する方向だが、ブラントのV1戦計画の発覚が、その進退に、どのような影響を及ぼすことになるのだろうか?