【オーストラリア】〔政治スポットライト〕豪首相、パプア関係深化強調で中国けん制
オーストラリアのアルバニージー首相はこのほど、訪問先のパプアニューギニアで出席した晩さん会でスピーチを行い、両国の歴史的に強い関係をさらに深めることで、太平洋地域の安定と自由を促進できると強調した。同国で、国防兵舎の建設や主要6港の改修、同国初の太陽光発電所2カ所の開発を支援すると述べ、同国での影響力拡大を図る中国をけん制した。 アルバニージー首相は、首都ポートモレスビーで開催された晩さん会で、太平洋諸国は「自国の運命を自分で追及し、未来を自分で確保する自由を持つべきだ」と主張した。 アルバニージー首相がパプアを訪問する前日まで、中国の王毅外相がパプアを訪問しており、同国のマラペ首相と会談していた。王外相は豪米英の安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」を批判し、国際的開発において中国のアプローチの方がオーストラリアよりも優れていると強調した。 アルバニージー首相とマラペ首相は23~24日にかけて、1942年の第二次世界大戦でオーストラリア軍が日本軍と激戦を繰り広げた山道「ココダ・トラック」の一部を歩くことになっている。その後あす25日朝のアンザックデー(戦没者慰霊記念日)の式典に出席する。 ■野党、国防支出大幅増額公約へ オーストラリアの野党保守連合(自由党・国民党)は、2025年に行われる予定の連邦総選挙で、国防支出の大幅な増額を公約する見通しだ。 影の内務・サイバーセキュリティー相を務めるパターソン氏は、「国防軍を強化し、危機的な人員不足に緊急に対処する必要がある」と述べた。