長塚京三主演「敵」が3冠 東京国際映画祭 日本映画19年ぶりグランプリ 吉田大八監督「東京はいい所」
第37回東京国際映画祭のクロージングセレモニーが6日行われ、コンペティション部門で吉田大八監督(61)の「敵」が東京グランプリ、最優秀監督賞、長塚京三(79)の最優秀男優賞の3部門を受賞した。日本映画のグランプリ獲得は19年ぶり、主要3冠制覇は22年「理想郷」以来の快挙となった。 吉田監督は「自分がいい監督だという自信は持てないが、関わった皆のおかげでいい映画にはなったと思う。作品賞も頂けたので、胸を張って皆で喜べる。東京はいい所ですね」と笑顔。14年「紙の月」では宮沢りえ(51)に最優秀女優賞をもたらしており、「俳優の賞が物凄くうれしい。僕は俳優で映画を見に行くので、自分の思いを一つ達成した気持ちが強い」と相好を崩した。 筒井康隆氏の小説を原作に、仏文学の元大学教授がパソコンに送られてきた不穏なメールに追い詰められていく不条理劇。 長塚は「ちょっとビックリして、まごまごしています」と苦笑。それでも「ぼちぼち引退かなと思っていた矢先だったので、奥さんはがっかりするでしょうけれど、もうちょっとこの世界でやってみようかなという気持ちになっています」と意欲を新たにし、満場の拍手を浴びていた。