自家用車をバス・タクシー代わりに 熊本県水上村で「有償旅客運送」 スーパーや医療機関に停留所
熊本県水上村は1日、公共交通機関がなかった同村岩野の川内地区で、ユナイテッドトヨタ熊本(熊本市)が貸し出す7人乗りの自家用車を使い、有償で客を送迎する「川内号」の運行を始めた。自治体やNPOなどが運行主体になれる「自家用有償旅客運送」制度を活用した。 トヨタの交通空白地帯支援事業の一環。地元自治体や、自治体の委託先が運営する公共交通の導入に取り組んでおり、同社が支援する自治体は熊本県内で初めて。全国で14番目。 川内地区は62世帯147人が暮らし、川沿いに民家が点在する山あいの集落。高齢化率は50%を超えている。 「川内号」は同地区から公立多良木病院までの約17キロを結ぶ。県道五木湯前線や国道219号沿いのスーパーや郵便局、医療機関などの近くに18の停留所を設けた。地区内では自宅近くで乗り降りもできる。 月、木曜日(祝日運休)に完全予約制で各日3往復し、料金は片道一律500円。運行は村社会福祉協議会に委託する。
1日には村保健センターで、関係者15人が出席して出発式があった。運転手の一人で川内在住の元役場職員の男性は「地域に交通手段が増えてありがたい。安全第一で運転したい」と話した。 予約は村社協が電話で前日午後4時まで受け付ける。☎0966(44)0782。(井田真太郎)