住宅を巻き込んだ土砂崩れ（２３日午前８時５６分、宮崎県延岡市で）＝尾谷謙一郎撮影

　高気圧周辺の暖かく湿った空気が流れ込んだ影響で記録的大雨となった宮崎県で２３日、延岡市浦城町の住宅が土砂崩れに巻き込まれ、１人の行方がわからなくなった。同県日南市でも２２日に車１台が流され、乗っていた１人の捜索が続いており、同県内で２人が行方不明となっている。

　県警延岡署によると、２３日午前０時半頃、延岡市浦城町で土砂崩れが発生。木造平屋住宅１棟が土砂で埋まった。夫婦２人が住んでいたとみられ、夫は屋外に出ていたが、当時屋内にいた妻と連絡が取れていないという。

　現場は、市役所から北東約１０キロの山あいで、住宅が点在する地域。現場近くの男性（６７）は「（発生当時）雨が小降りになり、安心していたところだった。行方不明者が早く見つかってほしい」と話した。

　一方、日南市では２２日午後、車が福谷川に流された。同川下流で車が見つかり、２３日朝に引き揚げられたが、車内に人はいなかった。消防などが、乗っていた１人の捜索を続けている。

　気象庁は２２日午後３時７分、宮崎県南部で線状降水帯が発生したとして、顕著な大雨に関する情報を発表した。延岡市北浦町古江では２２日午後１０時２３分までの１時間降水量が１１４ミリと観測史上最大を記録。２１日の降り始めから２３日午前４時までの降水量は、延岡市、日向市、日南市、都農町で４００ミリを超えた。