子どもに「過干渉」になってしまう原因は?子どもへの影響は? チェックポイントと対処法【専門家解説】
子どものことが心配なあまり口を出し過ぎてしまい、「自分は過干渉な親になっているかも……」と心配になるかたもいらっしゃるかもしれません。親はいつも子どものためを思って頑張っているもの。ただ、よかれと思ってやっていることが、もしお子さまの成長にとって好ましくない影響を与えるとすれば本末転倒になってしまいます。 この記事では、教育心理学の専門家・松尾直博先生の監修のもと、過干渉の特徴やチェックポイントをご紹介。「過干渉かも?」と感じた際にどうすればよいのかを知ったうえで、対応のしかたを工夫していけるとよいですね。
過干渉とは? 原因と過保護との違い
過干渉とは、具体的にどのようなことでしょうか? まずは過干渉とは何か、過干渉が起きてしまう原因、そして過保護との違いを押さえましょう。なお、過干渉はさまざまな人間関係で起こりますが、ここでは親子の間に生じることとして考えてみます。 【1】過干渉とその原因 過干渉とは、親が子どもを自分の意思に過度に従わせようとすることで、結果として子どもの意思や判断を極端に制限してしまう関わり方のことです。 子どもがまだ自分で物事を適切に判断できない段階では、親が注意や説明をする必要があります。特に安全に関わることなどでは常に気をつけていなければなりません。 しかし、子どもの行動や考え方について注意や説明を続けている中で、子どもが自分で適切に判断・選択できることについても、それを尊重せずに、親が自分の意思に過度に従わせる場合があります。それほど問題のない行動を極端に制限・禁止したり、過剰なルールを強要したりするといったケースです。 こうしたとき、子どもへの関わり方は「過干渉」になってしまいます。 「過干渉」の原因としては、親としての責任感を強く感じていることや、「きちんと育てなければ」との不安が強いことなどが挙げられます。「子どもがしっかり育たなかったら、自分が責められてしまう」といった自己防衛から過干渉になってしまうケースもあるようです。 【2】過干渉と過保護の違い 過干渉と比較されることに「過保護」があります。どちらも親御さんが子ども対する“関わりすぎ”があるという点は似ています。 「過保護」は文字通り、親による子どもの保護が過度になっていることを指します。子どもの意志や判断・選択を過度に重視し、親がそれに従う場合(いわゆる、「甘やかし」)は過干渉と関係性が逆になっているため、かなり異なっています。 しかし、保護を理由に親の意思に子どもを従わせる(例えば、子どもを悪影響から守るために適切な挑戦や冒険をさせない、子どもが自分でやりたいことも親がやってあげる、禁止や制限が多くなる)タイプの「過保護」もあり、この場合は目的が保護なだけで、メカニズムとしては過干渉と似ています。