スペインで得た“頭脳プレー”と、自分らしさの共存へ。ペスカドーラ町田・毛利元亮「自分が得点を取っていけば、もっと優勝に近づけるはず」【Fリーグ第1節|ミックス/町田vs大阪】
6月2日、町田市立総合体育館にてFリーグ2024-2025ディビジョン1第1節が行われ、ペスカドーラ町田とシュライカー大阪が対戦。7-1で町田が勝利した。 今シーズン、スペイン2部のカステジョンを退団し、古巣・町田に電撃復帰した、背番号99・毛利元亮。 「世界で一番点が取れる選手になりたい」 育成組織から生え抜きで育ったクラブを飛び出してから、約2年。 日本では感じられなかった悔しさやもどかしさと戦いながら、不得意なことにも取り組み、少ない時間でも効率よく結果を残せるかを考え「頭を使うこと」が身についたと振り返る。 「もちろんそれも大事。でも、僕だからこそできるプレーでチームを勝たせたい」 そんな思いで臨んだホーム開幕戦の13分、森岡薫からの鋭いピヴォ当てのパスを受けた毛利は、“らしさ”あふれる得意の反転から復帰ゴールを決めた。 スペインでの経験を糧にしつつ、さらにバージョンアップした“自分らしさ”を見せるために──。 覚悟の再スタートを切った毛利に話を聞いた。
器用さや、頭を使ってプレーする能力は日本では得られなかったもの
──復帰戦を振り返って。 自分の一番好きなピッチでプレーできて、こうして開幕戦で勝つこともできて本当にうれしいです。個人的にはまだまだコンディションがいいと言える状態ではないですが、自分の得意な形でゴールを決めることもできたことはよかったなと思います。 (森岡)薫さんとは一緒のセットでプレーすることが多くて、練習中もいいパスをくれます。個人の力だけでなくいいパサーがいてくれることでもっとたくさんゴールを決められると思うので、これからもコミュニケーションをとっていきたいです。 ──改めて、古巣に戻ることを決めた思いを教えてください。 いろいろな理由がありますが、環境が少し合わずに悩んでいたことや、今回は残念ながら出場を逃す形になってしまいましたが(FIFAフットサル)ワールドカップも視野に入れて、代表活動に参加しやすいようにということも理由の一つではありました。自チームであまり結果も出ていなかったので常に呼ばれる選手ではなかったですが、声がかかってもFIFAデイズではないという関係でクラブからNGが出てしまって、断らざるを得ないということもあったので……。 ありがたいことにスペインの他のチームからも話はもらったりもしたんですが、今後の代表活動を踏まえてもこの環境で続けていくべきなのか、それでももう少しスペインで頑張ってみようか、すごく悩みましたけど、今シーズンは一度日本に帰って町田でプレーしようと決断しました。今度こそ優勝できる年だと思っているので、「町田で優勝する」という自分の一つの目標を叶えてから、またチャレンジしようということを今は考えています。 ──具体的にはどんな難しさを感じていたんでしょうか? 自分らしさを出すことよりも、決められたことをやらなきゃいけないことに違和感を感じていたというか……。もちろん、求められていることをある程度は体現しなければいけないと思いますが、自分の得意なプレーがほぼ出せないとなると、「じゃあ自分じゃなくてもいいんじゃないか」というもどかしさがありました。降格もしてしまいましたし、“勝てないチーム”の雰囲気も肌身で感じて、自分にとっては本当に難しいシーズンでした。 ──苦しい思いが多かったかもしれませんが、スペインで過ごした2シーズンで学んだことや身についたことは? 今の話に続く部分でもありますが、自分が得意じゃないゾーンやポジションをこなす器用さや、頭を使ってプレーする能力は海外に行ってみないと得られなかった部分だと思っています。町田にいた時はみんなが僕の強みとかやりたいことを理解してくれたし、僕を生かそうとしてくれる環境でした。でもスペインに行ってからは、こっちからパスをもらいにいったり、出してもらうためにどうしたらいいかを考えて工夫する必要がある。日本にいたらおそらく経験できなかったし、個人としても成長できたポイントだと思います。 ──2年ぶりに町田に戻ってきて、毛利選手が所属していた時との違いを感じている部分はありますか?。 自分がいた時も走れる選手が多かったですし、ディフェンスの強度が高いチームだったことは変わらないですけど、それを全員が高い意識でやり続けられるチームになっているなと感じました。だからこそ昨シーズンの結果が得られたのかなと思っています。 ただ、去年も勝ってはいましたけど1点差の試合が多かったので、そこは自分や薫さんをはじめ、新しい選手中心に改善していきたいですね。自分が得点を取ってチームを勝たせることができればもっと優勝に近づけると思うので、そこは特に意識してやっていきたいです。 ──まだまだこれからだ、という思いが強いですか? そうですね。オーシャンカップの期間ぐらいに帰ってきて、まだみんなと一緒にやれてる時間も実質2週間もなかったですし、ここから一緒に出る選手と関係性を築いて自分のコンディションを上げていけば、チームとしての形が出来てくるはず。期待していてほしいです。 ──最後にシーズンへの意気込みをお願いします! これはどこに聞かれても話しているんですが、今シーズン目指すのは優勝だけだと思っています。その目標に向かっていけば、最終的に個人として結果を出すことにもつながると思っているので、チームのために点を取るなりディフェンスをするなり、できることをやっていきます!
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