「感触も良かったし、きっと大丈夫です」完動状態で眠りについた帰国子女のS600
ホンダS600を路上復帰させるこのプロジェクト。オーストラリアからの帰国子女であるS600を、長い眠りから目覚めさせる本格的なメンテナンスのスタートだ。 【画像36枚】おそらく故障ではなく完動状態ののまま眠りについたとされるこの個体。点検を終えた燃料タンクをトランクルーム内に設置。ちなみに、輸出仕様のため容量は国内向けよりひと回り大きい30L。ラジエーターキャップを新調し、冷却系の準備も整った。後はエンジンをかけ、水温が上昇し、圧力がかかった状態で確認する 【旧車復元プロジェクト 1964年式 ホンダ S600】 次は駆動系の点検。S600の特徴であるチェーンアクスルは、ケースを開けてチェーンの伸び、チェーンスプロケットの磨耗、さらにトレーリングアームをかねるチェーンケース本体にクラックが入っていないかなどを確認する。 今回は、スプロケットベアリングの状態が悪く交換。ただし、チェーンはテンションの調整のみでそのまま使えると判断した。 続いて、エンジンを始動するために、キャブレターや点火系をチェックする。柘植さんによると、燃料が送れて、火が飛びさえすれば、十中八九エンジンは始動し、アイドリングするらしい。 「クランキングチェックの感触も良かったし、きっと大丈夫です」と柘植さん。おそらく、故障して乗らなくなったのではなく、完動状態で放置され、そのまま眠りについたと推測する。 初出:ノスタルジックヒーロー2018年10月号 Vol.189 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
Nosweb 編集部