大友氏館跡の発掘調査で出土した「ベロニカのメダイ」（大分市教委提供）

　大分市教委が発掘調査をしている大友氏館跡（同市顕徳町）から、キリスト教の護符「ベロニカのメダイ」が出土した。国内では県教委が2001年に近くの中世大友府内町跡で発掘したものに続いて2例目。 　大友氏館跡の第50次調査をしていた7月22日に出土した。メダイは直径約2・5センチで、片面にキリストの顔、反対面に幼いキリストを抱く聖母マリアが表現されている。上部にはひもを通す小さな穴があり、祈りの道具・ロザリオに付けられていたとみられる。

「ベロニカのメダイ」が出土した調査現場＝大分市顕徳町

　ベロニカはキリストが十字架を背負ってゴルゴダの丘へ向かう途中、その顔の血と汗を自身のベールで拭った人物。ベールにキリストの顔が写ったという故事があり、その場面が表現されたメダイを「ベロニカのメダイ」と呼んでいる。 　県教委が発見した鉛とスズでできたメダイと特徴が似ており、今後、分析などを通して作られた年代や成分などを調べる。 　メダイは26日に南蛮BVNGO交流館で開催される「第23回大友氏遺跡フェスタ」で一般公開する。市教委文化財課は「国際貿易都市、大分の歴史を示す貴重な資料。多くの人に見てほしい」と話している。