「運もある」IBF王者マルティネスが井岡一翔戦の不利予想歓迎「負けると言われて勝ってきた」
プロボクシングIBF世界スーパーフライ級王者フェルナンド・マルティネス(32=アルゼンチン)が験の良い不利予想を大歓迎した。 7日、東京・両国国技館でWBA世界同級王者井岡一翔(35=志成)との2団体王座統一戦を控え、3日には都内のジムで練習を公開。試合が4日後に迫る中でもロープ跳び、腕立て伏せ、ミット打ち、サンドバック打ち、パンチングボール打ちと濃いトレーニング内容を報道陣に披露し、現在のコンディションの良さを印象づけた。 海外のブックメーカー(賭け屋)のオッズでは、マルティネスが不利となっている。英大手ウィリアムヒルでは、井岡の勝利に1・67倍がつけられ、マルティネスは2・20倍となっている。なお引き分けは15倍がつけられた。2本のベルトを懸けた王者同士の対決で戦前予想が劣勢となったが、マルティネスは「ボクシングは運もある。私は日本に勝つためにやってきた。よく練習もしてきた。勝つ確信がある」と自信に満ちあふれた。 14歳のマルティネスと出会ってから指導を続けてきたロドリゴ・カラブレッセ・トレーナーは19年12月、敵地でWBC同級シルバー王者アテンコシ・ドゥメズウェニ(南アフリカ)に番狂わせの11回KO勝ちし、王座獲得に成功した例などを挙げ「南アフリカで王座戦も絶対に負けると言われて勝ってきた。今回、井岡の勝利予想は(験が)良いのではないか」と番狂わせに自信を示した。 日本時間6月30日、米フェニックスで行われたWBC世界スパーフライ級タイトル戦で王者フアン・フランシスコ・エストラーダ(32=メキシコ)が挑戦者のジェシー・ロドリゲス(24=米国)にKO負けを喫して王座陥落した。ライバル王者の黒星にも、マルティネスは「自分はエストラーダが勝つと思っていた。そういうことは起こり得ることなんだ」と戦前予想をまったく気にせず、井岡撃破に集中している。 直前合宿を敢行した米ラスベガスでは5歳からボクシングを始めたきっかけとなった存在、元統一ヘビー級王者マイク・タイソンと対面した。自身のIBFベルトにタイソンの直筆サインを入れてもらった。マルティネスは「ディフェンスの方法などのアドバイスをもらった。すごくうれしかった瞬間だった」と井岡戦前に気持ちを高揚させたエピソードも明かした。 今回、ヘアカラーは生まれ故郷のブエノスアイレス・ボカ地区の人気サッカークラブ、ボカ・ジュニアーズの青色と黄色に染めた。大好きな日本のアニメ「ドラゴンボール」の孫悟空がベジータと合体したベジットの超サイア人ブルー形態「ベジットブルー」に変身したイメージも込めているという親日家だ。マルティネスは「井岡に勝てば(WBC王者)ロドリゲスか(WBO王者)田中恒成と統一戦をやりたい。ファイトマネー次第。でも日本が気に入っているから日本で試合したい」と自信たっぷりの表情を浮かべていた。