彩の国さいたま芸術劇場が本日リニューアルオープン! 3月の公演を紹介
2022年10月より、大規模改修工事のため休館していた彩の国さいたま芸術劇場が17か月ぶりにリニューアルオープン。本日3月1日(金)より公演が行われる。 【全ての写真】リニューアルした彩の国さいたま芸術劇場 彩の国さいたま芸術劇場は、建築家・香山寿夫の設計により1994年に開館。演出家の故・蜷川幸雄氏を芸術監督に迎えスタートし、俳優・吉田鋼太郎に引き継がれたシェイクスピア全37作を上演する「彩の国シェイクスピア・シリーズ」などで知られる。2022年4月より、振付家・ダンサーでコンドルズ主宰の近藤良平が芸術監督に就任、休館中も埼玉県内の各地を巡り、多彩な文化を探索するプロジェクト 「埼玉回遊」を実施するなど、県民との交流を続けてきた。 「安心」「快適」「充実」をテーマに実施された今回の改修工事では、大ホール・小ホール・音楽ホール・大稽古場・大練習室の吊天井の改修やガレリアのスライド式天窓の装置更新など震災・火災への備えの強化や、客席椅子の高さや向きの変更、空調効果の見直しなどによる鑑賞環境の向上、さらに大稽古場(NINAGAWA STUDIO)は30年間使い古した床面を更新し、小規模な公演も行える仕様に。デジタルインフラも整備しコロナ禍からのオンライン配信の需要にも対応。バリアフリートイレの大型化、エレベーターの新設と、より誰もが気軽に安心して利用できる場として生まれ変わった。 県民を招いた内覧会の日、工事を担当した香山建築研究所の浜野次郎氏は、“目に見えない”部分で多くの改修がなされた今回の大規模工事について「さらなる30年を支える“劇場の基礎体力を強化”を計った」と話した。また、改修工事中は近藤良平芸術監督が就任時に掲げた「クロッシング=交差点」というテーマにも支えられたという。 「建築的な特徴を踏まえたこのキーワードは、光と闇、世界と地域、芸術とエンターテインメント、世代とジェンダーが溶け合う豊かな空間を意味しており、設計者の胸に響くものであった。専門的な舞台芸術の牙城から劇場が本来持っている何者も排除しない広場という原点への回帰の意志が感じられる」と語り、「すべての要素がこのクロッシングの1点を目指し熟慮の末になされたもの。これまで以上に気軽に足を運んでもらえれば」と締め括った。 本日3月1日(金)から3日(日)まで、劇団はえぎわと彩の国さいたま芸術劇場の共同企画『マクベス』の埼玉公演を小ホールにて上演。3月9(土)・10日(日)には、リニューアルオープン記念公演と銘打った「埼玉回遊」の集大成『埼玉回遊〈特大号!〉~風と土地のロマンス』を創作・上演する。