威勢のいい二本締めが響き渡る 浅草・羽子板市
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浅草歳の市(羽子板市)が17日、浅草寺境内(東京都台東区浅草2)で始まった。この日は朝から晴天に恵まれ、早い時間から多くの人たちでにぎわっていた。19日まで。 境内には約50店が軒を連ね、羽子板を買った客に店主が「お祝儀をいただきました。みなさんお手を拝借」と大きな声で周りの人たちを引き付け、威勢のいい二本締め。羽子板を買った人も買わない人も、手拍子で一緒に盛り上げた。 羽子板の製造販売を行っている「橘屋」の女将・尾崎きみ子さんは、「羽子板は、邪気を跳ね返す縁起物で、災いをはらい、幸福を祈る気持ちがこめられています。女の子が生まれると初正月に羽子板を贈る習わしがありますが、自分のため、家族のため、誰が買ってもいい。お正月だけでなく、一年中飾ってください」と話す。
色とりどりの伝統的な羽子板をはじめ、2~3メートルにもおよぶ大羽子板や今年、話題を集めた芸能人やスポーツ選手などの羽子板は見ているだけでも楽しい。朱墨で手形をつける手形羽子板を子どもの成長の記念に買っていく人もいる。 毎年、千葉の松戸から同市に来るという女性二人は、「今年も干支の羽子板を買いに来ました。全部集めたいと思っています」と小さめのかわいらしい来年の干支・申の羽子板を見せてくれた。 歳の市とはその年の最後の市のことで、1659年頃から続いているという。日常生活用品のほか、正月用品を売っていたが、華やかな絵羽子板が人気を博し、いつしか羽子板市とよばれるようになった。 同市は午前9時~午後10時頃(19日は午後9時)まで。詳細は「浅草歳の市」のホームページで。