北米は『モアナと伝説の海2』と『ウィキッド ふたりの魔女』がマッチレース!『ローハンの戦い』の気になる順位と評価は?
先週末(12月13日から12月15日まで)の北米興収ランキングは、『モアナと伝説の海2』(日本公開中)と『ウィキッド ふたりの魔女』(2025年3月7日日本公開)が引き続きデッドヒートを展開。月曜日から木曜日までの平日ではリードしていた『ウィキッド』だが、ファミリー層の動員が増す週末は『モアナ2』に軍配。これで『モアナ2』は感謝祭の週末からV3を達成した。 【写真を見る】累計興収3億4000万ドルを突破し、ディズニーアニメ歴代4位に浮上!この勢いで年末年始へ それでも前週は1500万ドルほどあった両者の差が、400万ドルを切るほどの接戦になっている点は見逃せない部分。『モアナ2』の週末3日間の興収は、前週比51.7%の2649万ドル。対して『ウィキッド』は同62.1%の2264万ドル。劇場数はどちらも前週から200館ほど減少しており、次週末には『ライオン・キング:ムファサ』(日本公開中)も公開。おそらく首位は『ムファサ』に譲ることになるだろうが、『モアナ2』と『ウィキッド』の順位が入れ替わる可能性も充分に考えられる。 ちなみに週末段階で北米歴代興収76位だった『モアナ2』は、平日に入ってからの積み重ねで『ズートピア』(16)を上回り同74位、非ピクサーのディズニーアニメ作品としては「アナと雪の女王」シリーズ2作と『ライオン・キング』(94)に次ぐ歴代4位まで浮上。一方、『ウィキッド』は週末段階で北米歴代興収66位だったのが、平日に入り63位まで上昇。両者のいる興収3億ドル台は多くの作品がひしめき合っており、今後さらに順位を上げていくことになるだろう。 そんな2作と3強を形成していた『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』(日本公開中)は4位に転落し、代わってトップ3に入ってきたのは、マーベルのソニーズ・スパイダーマン・ユニバース(SSU)作品『クレイヴン・ザ・ハンター』(日本公開中)。初日から3日間の興収は1100万ドルと、同系列の『マダム・ウェブ』(24)のオープニングをも下回っている。現地メディアの報道によれば、ここで一旦幕を下ろすことになるSSU。結果的に「ヴェノム」シリーズ以上のタイトルに恵まれなかったことは少々もったいなく思える。 神山健治監督がメガホンをとった『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』(12月27日日本公開)は、5位スタートではあるがオープニング3日間で興収455万ドルと、3000万ドルの製作費を考えると厳しいスタート。批評集積サイト「ロッテン・トマト」によれば、批評家からの好意的評価の割合は47%と伸び悩んでいるが、観客からのそれは84%と高め。この観客からの評価が、作品の興収にもつながればいいのだが。 そして第82回ゴールデン・グローブ賞で作品賞(ドラマ部門)にノミネートされた『セプテンバー5』(2025年2月14日日本公開)と『Nickel Boys』はそれぞれ限定公開でまずまずの成績を収め、29位と31位にランクイン。とはいえ1館あたりのアベレージは、パメラ・アンダーソンが同主演女優賞(ドラマ部門)にノミネートされた『The Last Showgirl』のほうが上回っているようだ。 文/久保田 和馬