【ひねもすのたりワゴン生活】滋賀から城崎、そして神戸 5日間1500㎞のクルマ旅 その2
缶詰コーナーを出ると、軽い空腹をおぼえた。考えてみれば、朝から何も食べていないが、先はまだ長いので、ここで満腹にして眠くなっても困る。で、このサービスエリアには、静岡エリアの人気チェーン天神屋が運営する“ドライバーズスポットNEOPASA静岡下り”があることを思い出した。幹線道路沿いに多店舗展開する同チェーンは、静岡おでんやおにぎりで知られるが、おでんを2、3本ならちょうどいい塩梅だろう。ちなみに、ここにはシャワールームも完備というから、長距離トラックのドライバーにも愛されていると聞いた。
結局、B級グルメの缶詰を手土産に…
静岡おでんで腹の虫を黙らせ、再び本線へ…。その後、新東名下りは渋滞もなく、順調に距離を稼いだ。
新名神高速道路の鈴鹿パーキングエリアにも寄り道して、名神高速道路へ。竜王あたりで一般道へ降り、近江八幡に向かう予定だったのだが………。「長浜に寄ってみたい」と連れが言い出した。黒壁スクエアと呼ばれる一角があって、そこを訪ねたいのだという。実は、新名神に入ってからひどい渋滞にひっかかり、すでに2時間近くのタイムロスを被っていた。そんな寄り道をしたら、目当ての近江八幡の古い街並みを散歩する時間が削られちゃうなぁ…なんて愚痴ったのだが、長浜を近江八幡の隣町くらいに思っていたので、快諾したのだった。笑われてしまうかもしれないが、数えきれないほど琵琶湖を訪ねていてもほとんどが仕事だったし、それもボートでの湖上の移動だったから、陸上の土地勘はゼロ。3年前に2000㎞の旅をした時も北陸道は使ったものの、近江八幡でのランチを終えたあと、一路奥琵琶湖の菅浦を目指していたので、長浜はまったく意識していなかったのである。まさに目と鼻の先程度の感覚だった。
名神から北陸道へ。竜王を過ぎたところで確認してみると、黒壁スクエアまでの距離は約80㎞…だいたい近江八幡の手前ではないから“寄る”なんてものでもないのである。近江八幡のかなり先まで行って戻ってくるというとんでもない遠回りコースで、所要時間は片道1時間超と出た。おいおいおい…。ってことは往復で2時間以上ということになり、長浜に着いてからの散策タイムを考えれば、近江八幡でのお散歩時間はほぼ残らない。そりゃ困る。初日からお目当てスポットをあきらめるなんて…。