【図】福島・双葉町の帰還困難区域を一部解除 避難区域の指定状況は?
東京電力福島第1原発事故による福島県内の避難指示で、双葉町と大熊町、富岡町の帰還困難区域の一部が3月10日までに解除されました。全町避難が続く双葉町で避難指示が解除されるは初めてで、帰還困難区域としての解除も初めてです。解除されるのは、3町を縦断するJR常磐線の沿線周辺で、これにより同線は3月14日に全線が運転再開します。 【図】福島・大熊町の一部で避難指示解除 避難区域の指定状況は?(2019年4月10日現在)
常磐線が運転再開、駅周辺や沿線の町道など
福島第1原発は双葉町と大熊町にまたがって立地していますが、その双葉町の帰還困難区域の一部が4日午前0時、大熊町の同区域の一部が5日午前0時、そして富岡町の同区域の一部が10日午前6時にそれぞれ解除されました。 双葉町内では同時に、町北東部に位置する避難指示解除準備区域も解除され、これによって福島県内の避難指示区域は、双葉町、大熊町、富岡町、浪江町、南相馬市、葛尾村、飯舘村に残る帰還困難区域のみとなりました。 常磐線はこれまで、3町内の帰還困難区域を通過する区域(浪江駅~富岡駅間)が不通になっていました。 今回の解除は、双葉町にある双葉駅、大熊町にある大野駅、富岡町にある夜ノ森駅の周辺や沿線の町道などが対象で、3町をはじめとする帰還困難区域内に設定されている「特定復興再生拠点」が一部含まれます。この特定復興再生拠点の区域では、将来的な住民の居住などに向けたインフラ整備や除染が進められています。
【3種類の避難指示区域】
原発事故を受けた避難指示区域は、2012(平成24)年4月から、放射線の年間積算線量(推定)などをもとに「帰還困難区域」「居住制限区域」「避難指示解除準備区域」の3つに再編された。線量が高い順に、「帰還困難区域」は、年間積算線量が50ミリシーベルト超で、事故後6年たっても20ミリシーベルトを下回らない見込みの区域、「居住制限区域」は20ミリシーベルトを超える恐れがある区域、「避難指示解除準備区域」は20ミリシーベルト以下になることが確実とみなされる区域。2020(令和2)年3月の指定解除によって、福島県内に残る避難指示区域は「帰還困難区域」だけになった。