「すずのきくらげ」がコンテナ内で栽培しているキクラゲ。今月から「きくらげピクルス」（左）が新発売される

　花巻市笹間地区の農家が営むキクラゲ専門店「すずのきくらげ」（伊藤一成代表）は、地元の湧き水を使って生、乾燥キクラゲを生産している。肉厚でぷりぷりした食感が楽しめるとして、レストランや宿泊施設など市内外に取り扱い店舗を増やしている。今月から新商品「きくらげピクルス」を発売。良質な水資源を生かし、さらなる販路拡大や商品開発に意欲を示す。 　農家の冬場の収入源にしようと2021年12月に開業し、コンテナを整備して菌床栽培をスタート。天候の影響を受けることなく年間を通して収穫できるのが強みだが、二酸化炭素濃度の調整や季節に応じた湿度管理など、安定的な生産確保に苦労を重ねてきた。 　栽培に重要な温度、湿度、二酸化炭素濃度はスマートフォンで確認するなどITも駆使。菌床の水やりに地区内の清水（すず）を使っているのが店名の由来で、透明、清涼な水がもたらす独特の歯応えはさまざまな飲食店から評価されている。