66年前五輪連覇バトン氏は羽生をツイッター実況で祝福「素晴らしい劇場!」
66年前に五輪連覇を果たしているディック・バトン氏(88)も、自らの記録に並んだ羽生結弦(23、ANA)の金メダル獲得をツイッターにて祝福した。 バトン氏は、羽生の演技が始まると、ツイッターにて実況解説をスタート。 映画「陰陽師」の「SEIMEI」のオリエンタルな笛の音にのって、冒頭で4回転サルコーを決めると、「羽生の4回転サルコーは美しく、いとも簡単にやっているように見えて軽い」とつぶやいた。 続く4回転トゥループも美しい着氷で成功させて、右足首の怪我の影響からスタミナが心配された後半の最初に4回転サルコー+3回転トゥループの難易度の高い連続ジャンプを成功させると「羽生は華麗だ」とツイートした。 だが、4回転+2回転の連続トゥループジャンプは、ファーストジャンプでステップアウトして単発に終わり、最後のジャンプとなる3回転ルッツも、バランスを崩して手をつきかけた。なんとかこらえ美しいステップワークとスピンで演技を終えた羽生が、右手を突き上げるとバトン氏のツイートもヒートアップした。 「音楽に合わせた美しい振り付け。素晴らしい劇場だった!」 現在スケート解説者であるバトン氏は、丹念に音を拾いながら、芸術性を極限まで追求した羽生の演技の長所を指摘した上で、その金メダル作品を「劇場」と評した。 最終滑走となった宇野昌磨(20、トヨタ自動車)も冒頭の4回転ループで転倒したが、そのミスの動揺を見せず、残りのエレメンツを完璧に演じきった。 バトン氏は、宇野のパワーにあふれた銀メダルの滑りも「力強い点火プラグだ」と絶賛した。宇野の得点が発表され、羽生の金メダルが決定すると、こう祝福した。 「ブラボー羽生!(僕の)記録に並んだね」 米国ニュージャージ州出身のバトン氏は、1948年のサンモリッツ五輪で、史上最年少の18歳202日で金メダルを獲得すると、そこから世界選手権を5連覇、むかうところ敵なしの状態で2度目の五輪となる1952年のオスロ五輪に臨み2大会連続で金メダルを獲得した。22歳だった。引退後は、解説者を務め、1976年に世界フィギュアスケートの殿堂入りを果たしている。 また五輪のフィギュアスケートでは、スウェーデンのギリス・グラフストロームが1920年のアントワープ五輪、1924年のシャモニー五輪、1928年のサンモリッツ五輪で3連覇、バトン氏の前には、オーストリアのカール・シェーファーが1932年のレークブラシッド五輪、1936年ガルミッシュパルテンキルヒェン五輪で2連覇を果たしており、羽生は、史上4人目の五輪連覇の偉大なスケーターとなった。