水俣病被害者への思いどこへ…環境相 一転トーンダウン 新体制の役割は「団体との関係修復」、救済策検討は「目的外」
伊藤信太郎環境相は17日の閣議後会見で、水俣病対策に省内横断的に取り組むとして13日付で設置した「水俣病タスクフォース」について「関係団体と改めて懇談の場を開催し、損なわれた関係を修復することが目的だ」と語った。 環境省幹部「いい懇談会できたと…」 水俣病マイク切り、大臣への報告は6日後「影響拡大を認識できず」 立民ヒアリングに説明
設置を表明した14日の会見では「対応力を高める。問題解決のために機動的に動く」「現行法制の下で一人でも多く被害者を救うために何ができるかを達成することがタスクフォースの目的」などと述べており、トーンダウンした格好だ。 タスクフォースは政務三役や事務次官のほか、新しく配置した水俣病担当の審議官など29人で構成。伊藤氏は「懇談会の開催自体が目的ではなく、そこでご意見を伺い、内容について丁寧かつ真摯(しんし)に検討を行うことが重要」と話した。 同省の担当者によると、タスクフォースは「懇談会を充実させること」が使命で、救済策の検討は目的に含まれていない。14日の発言に関しては「大臣の思いを述べた」とした。
南日本新聞 | 鹿児島
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