GQ編集部が厳選! 11月に劇場で観るべきおすすめ映画
清水尋也と高杉真宙がW主演を務めたバイオレンス青春映画や、横浜流星主演のサスペンス、成田凌と森田剛が共演した漫画原作・台湾ロケの愛情物語から、巨匠リドリー・スコット監督作など、11月に観るべき11作をピックアップ。 【写真を見る】清水尋也と高杉真宙がW主演した『オアシス』をチェックする
■『オアシス』──清水尋也と高杉真宙による青春バイオレンス 十代の頃から注目され『渇き。』、『東京リベンジャーズ 2 血のハロウィン編 -運命-』などの過去作で共演し、公私ともに交流があった清水尋也と高杉真宙がW主演。ともに青春時代を過ごした富井と金森だったが、地元ヤクザの構成員となった富井と、犯罪組織のメンバーとなった金森は、一触即発の関係に。そこにふたりの幼馴染の紅花が現れ、3人は事件に巻き込まれていく。 11月15日(金)から新宿武蔵野館ほか全国公開。 ■『本心』──仮想空間で亡き母と再会する 平野啓一郎原作の小説を映画化。監督・脚本を石井裕也、主演を池松壮亮が務める。朔也(池松壮亮)の母(田中裕子)は、「大事な話があるの」と言い残して急逝する。幸せそうに見えた母だったが、実は“自由死”という制度を選択していたことがわかる。どうしても母の本心が知りたい朔也は、AI で仮想空間上に人間を作る技術を使い、母を蘇らせるが、徐々に母の知らない一面が明らかになり……。 11月8日(金)より全国公開。 ■『正体』──5つの顔をもつ逃亡犯を横浜流星が怪演 原作は、染井為人による傑作小説「正体」。日本中を震撼させた殺人事件の容疑者として逮捕された鏑木は、死刑判決を受けたが脱走し日本各地で潜伏を続ける。鏑木を追う刑事の又貫は、逃走先で鏑木と出会った人々に取り調べを行うが、まるで別人のような人物像だった。監督は藤井道人。主演を横浜流星が務め、共演に吉岡里帆、SixTONESの森本慎太郎、山田杏奈、山田孝之らが名を連ねる。 11月29日(金)から全国公開。 ■『雨の中の慾情』──ふたりの男とひとりの女による激しい情愛の物語 漫画家・つげ義春の同盟短編漫画を映画化。『岬の兄妹』、『さがす』の片山慎三が監督・脚本を手掛けた。貧しい北町に住む売れない漫画家・義男(成田凌)は、アパート経営のほか謎の商売をしている尾弥次(竹中直人)から自称小説家の伊守(森田剛)とともに引っ越しの手伝いに駆り出され、離婚したばかりの福子(中村映里子)と出会う。義男は官能的な福子に心奪われるが、福子と伊守が付き合っていることを知る。ほどなく、ふたりは義男の家に転がり込み、奇妙な共同生活が始まる。 11月29日(金)から全国公開。 ■『十一人の賊軍』──白石和彌が手掛ける時代劇アクション 『仁義なき戦い』シリーズを手がけた脚本家・笠原和夫が1964年に執筆したプロットを、60年の時を経て映画化した時代劇。監督は白石和彌で、山田孝之と仲野太賀がW主演している。1868年、徳川慶喜を擁する旧幕府軍と、薩摩・長州藩を中心とした新政府軍の間で、戊辰戦争が起きていた。そんな中、旧幕府軍にくみする奥羽越列藩同盟軍を裏切った新発田藩は、捕らえていた11人の罪人に砦を守らせるのだが……。 全国公開中。 ■『若き見知らぬ者たち』──不条理な世の中と絶望の先にみえるもの 『佐々木、イン、マイマイン』で話題となった、内山拓也監督の作品。主演を磯村勇斗が務めた。彩人(磯村)は、亡き父の借金のために昼も夜も働き、難病の母の介護をしている。同居している弟の壮平(福山翔大)は、借金返済と介護を担っていたが、父の背を追うように総合格闘技に明け暮れていた。苦しい生活の中で、彩人は恋人の日向(岸井ゆきの)と幸せを掴もうとする。 全国公開中。 ■『ぼくが生きてる、ふたつの世界』──きこえる息子ときこえない母による物語 五十嵐大の自伝的エッセイ『ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと』を、吉沢亮主演で映画化。宮城県の小さな港町に暮らす五十嵐家に男の子が生まれた。家族は“大”と名付けて誕生を喜ぶ。他の家庭と少しだけ違っていたのは両親の耳が聞こえないこと。幼い大にとっては、手話を使って大好きな母の“通訳”をすることも“ふつう”の楽しい日常だった。しかし次第に周りから特別視されることに戸惑い、苛立ち、母の明るささえ疎ましくなる。心を持て余したまま20歳になり、逃げるように東京へ旅立つ大だったが……。 YEBISU GARDEN CINEMAなどで公開中。 ■『対外秘』──正義とは何かを問いかける 『悪人伝』のイ・ウォンテ監督が手がけた、韓国初登場1位を記録したサスペンス。1992年の釜山を舞台に、国会議員選挙をめぐる権力闘争と、その裏で作成された国を転覆させる機密文書の争奪戦を描く。党から公認候補を外されたヘウンは、機密文書を手に入れ、ならず者と組み選挙資金を得て出馬。当選確実と思われたが、政界の黒幕の妨害工作にあい人生の岐路に立たされる。 11月15日(金)から全国公開。 ■『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』──すべてを奪われた男の復讐劇 巨匠リドリー・スコット監督による、『グラディエーター』の続編。前作から25年後を舞台に、ローマ帝国の圧制によって自由を奪われた男が、帝国への復讐を果たそうと、闘技場での戦いに身を投じる様を描く。主演は『異人たち』のポール・メスカル。共演はコニー・ニールセンが続投する他、デンゼル・ワシントン、ペドロ・パスカルらが務める。 11月15日(金)から全国公開。 ■『ザ・バイクライダーズ』──バイクを愛したアウトロー集団の危うくて儚い記録 1960年代シカゴに実在した、伝説的モーターサイクルクラブにインスパイアされた作品。写真家ダニー・ライオンの写真集「The Bikeriders」にインスパイアされている。喧嘩っ早くて無口なバイク乗りベニー(オースティン・バトラー)は、地元の荒くれ者たちを仕切るジョニー(トム・ハーディ)の側近。ジョニーの一味は“ヴァンダルズ”というモーターサイクルクラブ へと発展。各所に支部が立ち上がるほど急激に拡大すると次第に統率がとれなくなり、ある事件が起こってしまう。 11月29日(金)から全国公開。 ■『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』──恋に堕ちたジョーカーの悲喜 前作『ジョーカー』から2年後が舞台。公開されるや否や賛否の嵐がSNSを中心に巻き起こった衝撃作。前作で悪のヒーローとなったジョーカーことアーサーが、謎の女性リーと出会い、自分を見つめ直す悲劇の物語。監督は前作に続きトッド・フィリップス。謎の女性リーをレディー・ガガが演じた。 全国公開中。 編集と文・遠藤加奈(GQ)