オバマ元大統領もお気に入り映画に選出『ポライト・ソサエティ』主演女優を直撃インタビュー
「ミズ・マーベル」のシーズン2があったとしたら
──好きな作品に『デーヴダース』を挙げられましたが、『ポライト・ソサエティ』のなかで『デーヴダース』のダンスシーンの再現がありました。それは夢が叶ったような感覚だったのでしょうか? 監督にも撮影のあとで、そのシーンを作ってくれたことに対して感謝を伝えたほど、私の夢が叶った瞬間でした。とくに『デーヴダース』は少女の頃に観て、女性たちのダンスや作品のスペクタクルに魅了され、ずっと憧れの象徴だった作品です。 自分がそれを再現できたというのは、一生忘れない体験でした。 ──『ポライト・ソサエティ』の作中に、実在するスタントウーマンのユニース・ハサートの名前がリスペクトする相手として、たびたび出てきますが、これはプリヤさん自身がリスペクトしていたからでしょうか?それとも監督がリスペクトしている相手でしょうか? 監督ですね。スタントに関しては、私自身はあまり知識が無いですが、ユニースは、マーベルや「スター・ウォーズ」シリーズなどのスタントで有名な人ですから知ってはいました。本当は今作のスタントチームにも参加してほしかったのですが多忙でスケジュールが合わなかったのは残念でした。 ユニースは、もともとリアリティ番組の「International Gladiators 1」からスタントの世界に飛び込み、今の地位を築いたということから、主人公が憧れる対象として共感性と可能性に満ちた存在でした。 出演やスタントチームへの参加は無理でしたが、声だけ少し出演してもらっています。 ──丁度、マーベルというワードが出たので質問ですが、今作には、ヴィランとして「ミズ・マーベル」のニムラ・ブチャが出演していますし、ほかにも同作には、パキスタンやインド系の俳優が多数出演していました。もし「ミズ・マーベル」のシーズン2があったとしたら出演したいと思いますか? はい!是非やりたいですし、オファーを待っています!! ニムラ本人は素敵で優しくて、とてもヴィランを演じるとは思えない女優さんですが、そこの繋がりができたのも嬉しかったです。 「ミズ・マーベル」という作品は、インド系やパキスタン系が”マーベル”というトップレーベルのなかで存分に活躍できる場を開拓してくれた作品でもあるので、俳優として限定的ではなく、何かしらでも関わりたいです。 ──もともと俳優を目指しながらも、一度製薬会社に就職して、結果的には退職したそうですが、演技一本に絞ると決めたときのきっかけや後押ししたものがあれば教えてください。 製薬会社を辞めて演技に集中する選択したのはコロナ禍でした。コロナ禍で強制的にでも時間ができたことで、改めて自分を見つめ直し、自分が本当に何を求めているのかと考えました。 就職していたときも、仕事をしていない全ての時間は、常に演技のことは考えていました。オーディションを受けたり、エージェントを探したり、あるいは自身で撮影していたりもしました。 ずっと両立は難しいとわかっていましたし、両方していたら、両方だめになってしまうと思い、そこで決断しました。今ではその選択が正しかったと自信をもって言えます。 ──Netflixドラマ「ブリジャートン家」に出演以降のフィルモグラフィはあると思うのですが、それ以前からも、ずっとインディーズの作品や演劇等で演技の仕事はしていたとありますが、何かしらアクセス可能な作品というのはあるのでしょうか? 学生の作品や短編にはいくつか出演しましたが、ほとんど残っていないと思います。一番の演技経験はアマチュアの舞台でしたが、それも観ることはできいと思います。 ドラマもゲスト出演の枠でメインキャラクターではありませんでした。しかし、この作品に私をキャスティングしていただけたことで、あまり目だった演技経験や業界にコネもなかった私にとっては大チャンスであり、私の演技を世界に観てもらうきっかけとなったことは、恵まれたことですし、心から嬉しく思っています。 (C) 2022 Focus Features LLC. All rights reserved. 〇作品情報 監督・脚本:ニダ・マンズール 出演:プリヤ・カンサラ、リトゥ・アリヤ、ほか 2023年/イギリス/英語・ウルドゥー語/104分/シネスコ/カラー/5.1ch/G/ 日本語字幕:田渕貴美子/原題:Polite Society 後援:ブリティッシュ・カウンシル 配給:トランスフォーマー 8月23日(金)新宿ピカデリー、グランドシネマサンシャイン 池袋、ヒューマントラストシネマ渋谷 ほかロードショー!
バフィー吉川