【K1】ボクシングと2冠・武居由樹が55キロT予想「玖村選手が金子選手にリベンジし5回目を」
「K-1ワールドMAX」(7月7日、代々木第2体育館)で「-55キロ世界最強決定トーナメント」が開幕する。1回戦勝ち上がりの行方に注目が集まる中、K-1は、5月6日に東京ドームでWBO世界バンタム級(-53・52キロ)王座を奪取し、史上初“K-1&ボクシング世界2冠”を成し遂げた武居由樹(27=大橋ジム)のインタビューを公開。武居は世界戦の心境や今も抱き続ける「K-1愛」、そして気になる-55キロトーナメントの優勝予想まで語った。 -WBO世界バンタム級の王座戴冠おめでとうございます。ボクシング世界王者としての実感をどう感じていますか 「やっと世界チャンピオンになれたというのは少しずつ感じてきていて。K-1の20年両国大会の時にファンみんなの前で言った『ボクシングの世界チャンピオンになります』という約束を果たせたのは本当によかったかなと思っています」 -現在所属する大橋ジムには誰もが知る井上尚弥選手という偉大な選手が所属しています。同じ場所でトレーニングできている今の環境については 「ジムの練習でも尚弥さんが来るだけで緊張感がもう…。空気が一気に変わるんですけど、そういうのを肌で感じたり、世界最高峰の選手の練習を間近で見られたり、もちろんマス(スパーリング)だったり練習をさせてもらう中で『まだまだ自分は全然なんだな』というのも感じますし、もっと尚弥さんに近づかなきゃなとか、いろいろ考えますね」 -K-1を離れて約4年が経ちますが、外からはどういう思いでK-1をご覧なっていましたか 「自分がいた時代の選手たちがだんだん離れちゃったりしたので、盛り上がりは少し欠けるのかなと思うんですけど、そのぶん若い選手たちがたくさん出てきたので、ここからまた楽しみだなというのが率直な思いですね」 -ボクシング世界王者になった現在、改めて武居選手にとってK-1はどういう存在でしょうか 「僕は本当にK-1に育ててもらったと思っていて、K-1がなかったらきっとまだボクシングの世界チャンピオンにはなれていなかっただろうなと思うので、本当にK-1には感謝しかないなという思いです」 -全階級のなかで特に注目しているK-1はいますか 「やっぱり、どうしても前のジムのパワーオブドリームの選手たちに頑張ってもらいたいなと思っていて。元K-1チャンピオンの江川(優生)だったり、岩尾力だったり、中島千博だったり。もっともっと、下にも若い選手がたくさん出てきたので、彼らがどんどん、どんどん、もっともっと上に行ってほしいなという思いですね」 -今回の-55キロ世界最強トーナメントのなかで、注目カードは 「やっぱり玖村将史選手とアントニオ・オルデン選手(スペイン)の試合ですね。僕、両方とも戦っているんですけど、玖村選手はたぶん僕が今までK-1ファイターとやったなかで一番スピードがあった選手で、逆にアントニオ・オルデン選手は最初にスーパーバンタム級王座決定トーナメントに出た時に1回戦で戦ったんですけど、すごく懐が深くてやりにくい選手だったんですよ」 -玖村選手は昨年9月に金子晃大選手に敗れていますが、そこから気持ちを立て直し、今回は決勝で金子選手にリベンジすることを目標としているようです 「玖村選手はもう絶対に負けたくないという気持ちがあると思うので、決勝で金子選手にリベンジしたいという気持ちがあると思います。今、金子選手とは3戦していますよね? だからここで勝って、今度もう1回タイトルマッチという思いが強いと思うので楽しみですね」 -一方で、金子選手は現チャンピオンながら、肩書などは気にしていないかのように1回戦から出場します 「僕もチャンピオンの時に世界最強決定トーナメントに出たことがあるんですけど、チャンピオンとしては勝って当たり前、優勝して当たり前と思われているので、相当プレッシャーはあると思います。だけど、たぶん、そういうのをあまり気にしなさそうなので、メンタルはすごく強いだろうなと」 -金子選手の相手のカン・メンホン選手は「カンボジアのムエタイ」と言われるクンクメールの世界王者です。クンクメールはご覧になったことは 「いや、ないですね。でも、110何戦もされている選手なので、経験も豊富なんだろうなと。経験が多い選手は、やっぱり侮れないですよね」 -ここからは武居選手のトーナメント予想を聞いていきたいと思います。まず大久保琉唯VSジャオ・ジェンドン(中国)は 「ジャオ選手の試合も見たんですけど、大久保選手がテクニックで勝ち切れるんじゃないのかなと思うので、1回戦目は大久保選手が突破すると思います」 -続いて玖村将史VSアントニオ・オールデン 「これ、けっこう難しいですね。たぶん玖村選手の試合の入り方によって展開が変わるんだろうなと思っていて。最近、玖村選手はけっこう足を止めて打ち合うスタイルですけど、オルデン選手は距離を取りながら戦うので。うーん、でも玖村選手はスピードでオルデン選手を倒すんじゃないのかなと思いますね」 -続いて璃明武VSアンジェロス・マルティノス(ギリシャ) 「以前、軍司(泰斗)選手と戦って(23年9月、0-2判定負け)、けっこうタフでパワーもあった選手なので。うーん、ここはちょっと、あえてマルティノス選手に勝ってもらいたいなって。全員日本人より外国人選手にも活躍してもらいたい気持ちもあるので」 -では最後に金子晃大VSカン・メンホン 「これはもう金子選手ですね。金子選手は負けちゃいけないと思うんですよ、僕的には。絶対に負けないでほしいという思いもあるので、金子選手のKO勝ちで」 -引き続き準決勝の予想をお願いします。まず大久保選手VS玖村選手は 「そうですね…大久保選手もうまいんですけど、55kgの体はちょっとまだできていないと思うので、やっぱり玖村選手かなぁと思います」 -続いて準決勝のもう1試合、金子選手VSマルティノス選手は 「これ、すごいバチバチに打ち合いますね。打ち合い、削り合いの試合になると思います。でも、ここもやっぱり金子選手が打ち合いのなかで勝ち切るんじゃないのかなと思いますね」 -さあ、そして決勝戦です。玖村選手と金子選手の決勝はどんな戦いになりそうですか。 「これは…チャンピオンとしての気持ちで金子選手に勝ってもらいたいんですけど、(準決勝の)マルティノス選手との打ち合いで、ちょっとダメージが残るなかでの試合で、玖村選手が勝つというストーリーもちょっと面白いんじゃないかと思うので、玖村選手の優勝予想を今回はさせてください」 -玖村選手にとってはリベンジになりますね 「リベンジですね。これで4回目ということですよね。それで(2勝2敗になって)、最後にもう1回、5回目を」 -再びご自身のお話に戻ると、現在バンタム級には武居選手を含めて世界王者が4人。その上のスーパーバンタム級には4つのベルトを独占する井上尚弥選手がいます。そんな環境のなかで武居選手のこれからのボクシング界での目標は 「日本人選手はみんな強いし、僕はバンタム級のチャンピオンのなかでも、まだ一番下なんだろうなという思いがあるので、上にいる人たちも食っていけるような選手になっていかなきゃいけないし。あとはやっぱり、どんどん、どんどん防衛して自分の価値も上げていかなきゃいけないとか。目標はいろいろ、たくさんありますね」