【特別手記】岡田監督の陽子夫人「本当にタイガースが好きなんだな」球団最多勝に感慨ひとしお
阪神歴代監督最多の514勝に並んだ阪神・岡田監督の陽子夫人が、日刊スポーツに特別手記を寄せた。監督を陰で支える虎のファーストレディーが、連覇を狙う指揮官の「タイガース愛」をつづった。【聞き手=寺尾博和】 まずは阪神球団に、長年にわたって監督を任せていただいたことに、心より御礼申し上げます。そして有能なスタッフ、選手の皆さまに恵まれたおかげだと感謝申し上げます。 歴史と伝統のある阪神タイガースで、最多勝をあげた監督になったことに感慨もひとしおです。またこれまで球団を支えてきた先輩の方々の思いをつなぐことができたことがなによりだと思っています。 リーグ連覇のないチームにとって、今シーズンは“未知との戦い”です。主人は前回も連続して勝つことができなかったので、いまだ監督として達成していない目標にチャレンジしているのだと思います。 昨年は監督が代わって、無我夢中になって勢いがついた感じでした。今年は選手の方も「どのような壁が待ち受けているのだろうか?」と経験したことのないシーズンを感じているのではないでしょうか。 開幕から1点差とか、2点差とか、なんだか“省エネ”のようなゲームが続きました。まだ“答え”が見つかっていないという意味では、「A・R・E」にクエスチョンマークがついたほうの「アレ?」を想像されるのかもしれません。 でも主人は自分がネガティブというぐらいで、はなから「そんなに簡単じゃない」「うまくいくわけないやん」といった感じで、交流戦もセ・リーグで苦労したら、もっと苦労すると話していた通りでした。 日によってはイライラしていることもありますが、テレビでゴルフ、サスペンスを見たりして気分転換しているようです。 他球団から戦略を練られ、マークの仕方も変わったのか、スランプ、故障はつきものですし、こちらはどうしても受け身なので、厳しい戦いを強いられています。 本当は“王道”の戦いが理想かもしれません。でも今年はまた違った形の挑戦になっているのかなと思っています。だれかが欠けても、だれかが出てくるのは、バリエーションが広がって、うまく戦力がそろったときは、さらに層が厚くなって、チームの器が大きくなって、その先に進化があるのかもしれません。苦しみを乗り越えてこそ成長があると信じています。 そういえば、せっかくの休日に、大学野球を見たかと思えば、現役時代の「巨人対阪神」のダイジェスト版にくぎ付けで、ずっと野球を見ていました。気分転換するのも野球なのかと驚きました。巨人のいいところばかりが映し出される番組でしたが、主人がホームランを打ったシーンが映し出されて盛り上がりました。 少年時代から主人の父の関係で阪神を応援していたし、優勝パレードにも参加しました。ドラフトで意中の球団に入ることができたときは“縁”を感じたのではないでしょうか。 本当に野球が好きで、タイガースが好きなんだなとつくづく思います。阪神タイガースに貢献できることを幸せに感じながら、悔いのない戦いでシーズンを終えることを願っています。 ファンのみなさま、いつも熱いご声援ありがとうございます。 岡田 陽子