西村優菜が週末行きを逃した

＜KPMG全米女子プロゴルフ選手権　2日目◇21日◇サハリーCC（米ワシントン州）◇6731ヤード・パー72＞ 池のフチ…石の上からパーセーブ！【写真】 今季、米ツアー初めての予選落ちは、メジャー大会だった。3オーバーから出た西村優菜は、3バーディ・2ボギー・1ダブルボギー・1トリプルボギーの「76」。トータル7オーバーで週末行きを逃した。 初日にダブルボギーとした10番パー4が“鬼門”だった。2日目はここがスタートホール。ティショットをフェアウェイに運んだが、2打目はグリーンを囲むように構える池に消えた。処置後の4打目は“シャンク”してグリーン右の池へ。「難しいライではあったけど、そんなにネガティブな感じはなく打った。ああいう球が出て、少しビックリだった」。そして40ヤードから1メートルにつけ、6オン・1パットの『7』をスコアカードに記入した。 「出だしからつまずいた。けっこう大ダメージでした」。この大きなつまずきを取り戻そうと、残り17ホールに気持ちを切り替え、コツコツと積み上げた。11番パー5でひとつ戻すと、折り返し後の1番はボギーとしたものの、3番。4番と連続バーディ。それぞれ2.5メートル、80センチとショットでピンに絡めて決め切り、トータル4オーバーまで戻した。 このコースではリーダーボードがアナログ式。上位者のスコアが手作業で更新され、そこに載っていなければ、現在のカットライン、そして自分の位置を確認することはできない。スタート前はトータル4～5オーバーと予想していたラインは、プレーを進めていくと、トータル3～4オーバーになると感じ始めた。 「ピン位置がきのうよりは易しかったと思う。午前中で風もなかったし、（リーダーボードを）見ている感じは伸びていた」。とはいえ、「あまりラインを見ているのも良くないというのも分かっている。とにかくひとつでも戻そうという気持ちでやっていた」と、ただひたすらに上位選手を追いかける態勢を整えていた。 だが、「最後まで諦めずにプレーしていた」という終盤にも落とし穴。8番では右ラフにつかまった2打目で木がスタイミーになり、うまくレイアップできず。6メートルのパーパットが決まらなかった。9番パー3では「いい感じに打てた」ティショットがグリーンの奥にこぼれてダブルボギー。「とにかく目の前の一打を一生懸命にやっていたけれど、なかなか運もなかったし、最初を取り戻せなかった」。2日間でコースを去ることになる。 2週間をオープンウィークにあて、メジャー大会「アムンディ・エビアン選手権」から連戦を再開させる。一時帰国し、ここで感触の悪かったショットの調整に時間を使うつもりだ。「良くなってきているところと、景色負けしたところとある。エビアンも狭いので、景色負けしないような自信をもって振れれば。そこかなと思う」。昨年はエビアンでも予選落ち。今季初めて味わった空白の週末の悔しさを、ヨーロッパの地で晴らしたい。（文・笠井あかり）