不正4000口座で700億円マネロンか、グループ12人を逮捕「トクリュウ」の可能性
他人に設立させたペーパーカンパニーの法人口座で犯罪収益の送金を繰り返し、マネーロンダリング(資金洗浄)したとして、大阪府警は21日、組織犯罪処罰法違反(犯罪収益隠匿)などの疑いで、会社役員の藤井亮平容疑者(41)=川崎市多摩区=ら12人のグループを逮捕した。グループは約500のぺーパーカンパニー、4千以上の法人口座を不正に管理。少なくとも約700億円の入金が確認され、府警は資金洗浄したとみて実態解明を進めている。 【写真】家宅捜索し、段ボール箱を運び出す大阪府警の捜査員ら 他に逮捕されたのは、富山県高岡市下関町、会社役員、大和隆生容疑者(40)らで収納代行業「リバトングループ」と自称。ただ実態は不明で府警は「匿名・流動型犯罪グループ」とみている。 グループは交流サイト(SNS)や知人を通じて、「副業として稼げる」などと勧誘。設立の方法を指南し、法人口座を開設させて管理していた。口座には令和5年1月から約半年で約700億円の入金があったという。 府警が金の流れを調べたところ、入金されたのは違法なオンラインカジノや詐欺事件の犯罪収益で、海外の法人口座にも流れていたとみられる。 府警はグループが別の犯罪組織から資金洗浄を請け負い、入金額の数%を取り分として少なくとも28億円を得た上で、海外経由で組織に還流させていたとみている。 12人の逮捕容疑は共謀し、昨年5~6月、詐欺の犯罪収益210万円を含む約559万円を複数の他人名義の法人口座に送金したなどとしている。府警は認否を明らかにしていない。他に30人以上が関与し、一部は海外に出国しているといい、捜査している。 令和4年9月、ネットカジノに絡み特定商取引法違反容疑で会社経営の男らを逮捕し、捜査の過程で発覚した。 ■マネロン横行、日本も厳罰化 詐欺や違法薬物の取引、脱税など犯罪で得た収益を出所や本当の所有者がわからないようにするマネーロンダリングに絡む事件の摘発は後を絶たない。 代表的な手口は、他人名義や架空の企業の口座を使って、送金を繰り返す▽電子マネーや暗号資産(仮想通貨)へ交換する▽株などの購入や正当な事業収益を装う-といったものだ。