ヒグマ人里出没で管理捕獲 根室で隊員4人が現地研修
北海道の根室市は7、8の両日、ヒグマの人里出没抑制などのため春期管理捕獲事業を実施した。7日は市総合文化会館で室内研修を行い、ワイルドライフプロの葛西真輔代表から市鳥獣被害対策実施隊員の4人がクマ捕獲に関する知識や技術の習得を図り、8日は葛西代表と長節地区でクマの痕跡を探す現地研修を行った。 全道的にクマの出没が相次ぐ中、市内でも昨年度のクマの目撃件数が統計開始以降最多を記録。被害防止体制の構築が求められているが、対応できるハンターの不足が懸念されている。このため、クマの捕獲に必要な技術を持つ人材の育成を図るとともに、人里周辺に生息、繁殖する個体の低密度化を図り、人への警戒心植え付けによる人里への出没抑制を目的に実施する。 7日の研修では各種法令の順守や発砲後のクマの動きなど一連の作業を「安全第一で行う」と述べたほか、道庁が作成したテキストに沿った捕獲技術、斜里町での地形を活用した捕獲パターンや、捕獲する際にあった人身事故の事例などについて説明した。 8日の現地研修では、長節周辺の車道沿いを車で巡回してクマの痕跡を探したほか、2班に分かれて長節地区の国有林に入り、それぞれ痕跡を探した。ドローンによる上空からの調査も行ったが、痕跡は確認できなかったという。 市鳥獣被害対策実施隊員で、道猟友会根室支部の斉藤雅之支部長代行(68)は「万が一クマが市街地に出たときなど、要請があったときすぐに行動を起こせるような形にしたい」と話していた。事業は今後13日までの3日間も行う。
釧路新聞