「トランプ再選は日本にとって追い風」!?…安倍元総理を失った日本がこれから迎える「光と闇」
アメリカとの交渉難化
エミン:そもそも、アメリカは長期的な戦略に沿って動く国。大統領が変わっても戦略はあまり変わらないでしょう。実際、トランプ政権で始めた対中関税はバイデン政権になっても続いています。移民政策も実はそう大きく変わっていないのです。 もちろんトランプ再選でネガティブな影響もあるでしょう。短期的に円高になったりするかもしれません。日本製鉄がアメリカの鉄鋼会社のUSスチールを買収しようとしていますが、トランプ氏は買収反対を明言していますので、これにストップがかかるかもしれない。 しかし、大きい視点で見れば、トランプ再選で流れが大きく変わることはないでしょう。 トランプ氏との交渉は難しい仕事でしょう。前回トランプ政権時も日本政府は交渉に苦労していたと聞きます。トランプ氏はトップダウンで決めたがるから、官僚同士の根回しで物事を進める、日本が好むやり方が通用しない。「サラリーマン社長」と「オーナー社長」ではビジネスのスタイルが違うのです。 安倍元首相はトランプ氏とうまく付き合っていましたが、強いリーダーのいない自民党がどう付き合うか気になるところです。 安倍さんは強いリーダーでしたが、岸田さんはそういうタイプではありませんでしたし、次の総理にも安倍さんほどのリーダーが出てくるか疑問です。この点でも日本は対応に苦労すると思います。 『「ウクライナ侵攻はロシアの勝利で終わる」…トランプが描くシナリオは「世界を恐怖に陥れる」最悪なものだった』へ続く
永濱 利廣、エミン・ユルマズ
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