<安彦良和>回顧展「描く人、安彦良和」 貴重な資料1400点を一挙に 「機動戦士ガンダム」「宇宙戦艦ヤマト」のポスターラフ案も
アニメ「機動戦士ガンダム」のキャラクターデザインを担当したことで知られ、マンガ家などとして活躍する安彦良和さんの回顧展「描く人、安彦良和」が6月8日、兵庫県立美術館(神戸市中央区)でスタートする。幼少期から現在に至るまでの安彦さんの創作活動の軌跡をたどる回顧展で、約1400点の貴重な資料が展示される。劇場版「機動戦士ガンダム」のポスターラフ案、ガンダムのマスクのデザインの原案ラフ、「宇宙戦艦ヤマト」のポスターラフ案など貴重な資料が初公開される。9月1日まで。 【写真特集】貴重なガンダム資料がお披露目! 安彦良和回顧展 写真を一挙公開
同展は、大まかな時代とジャンルによって分類した6つの章で構成される。「1章 北海道に生まれて」では、北海道遠軽での少年時代、全共闘時代、学生運動を振り返り、ノートに描いたマンガ「遙かなるタホ河の流れ」、同人誌「こんみゆん」などが公開される。中学生の時にノートに授業の内容をまとめた“重点整理帳”も展示される。
弘前大学を除籍となり、虫プロダクションの養成所に入所し、研修生を経て、アニメーターとして活躍を始めた頃の活動を振り返る「2章 動きを描く」は「わんぱく大昔クムクム」「宇宙戦艦ヤマト」「無敵超人ザンボット3」などを取り上げる。「宇宙戦艦ヤマト」の絵コンテ、ポスターのラフスケッチなど貴重な資料がお披露目される。
「3章 カリスマ・アニメーターの誕生」は「機動戦士ガンダム」「機動戦士Zガンダム」「機動戦士ガンダムF91」などを紹介。劇場版「機動戦士ガンダム」のポスターラフ案、ガンダムのマスクのデザインの原案ラフ、「機動戦士Zガンダム」のキャラクターの設定ラフ画、「機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編」のアムロとシャアの決闘シーンの原画などが見どころだ。
アニメの監督、小説の挿絵、マンガでの活躍を概観する「4章 アニメーターとして、漫画家として」では「クラッシャージョウ」「巨神ゴーグ」「アリオン」「ヴイナス戦記」などを展示する。「巨神ゴーグ」は初期案、設定、イメージボード、レイアウトなど資料が充実しており、見応えがある。実現しなかったOVA(オリジナル・ビデオ・アニメ)「命 MIKOTO」など“幻の企画”の資料も並ぶ。