社長輩出率、福井県が42年連続全国トップ 70代以上が4人に1人、事業承継に課題
帝国データバンク福井支店のまとめによると、福井県出身社長を人口で割った社長輩出率が昨年12月時点で1・37%となり、42年連続で全国トップだった。一方で県内企業の4人に1人が70歳以上と社長の高齢化が進んでおり、事業承継面での課題も浮かび上がっている。 都道府県別の社長輩出率は2位が徳島県の1・21%、3位山梨県で1・18%と続いた。全国平均は0・72%。同支店にデータの残る福井県の社長輩出率をみると、21年が1・36%、22年が1・38%。同支店は、福井県内では繊維や眼鏡などで分業や独立がしやすいほか、起業家精神が旺盛な県民性も社長輩出を後押ししているとみている。 県内に本社を置く企業の社長の平均年齢は60・5歳。18年は60・0歳で、緩やかに高齢化が進んでいる状況。60歳以上の占める割合は52・9%で5年前の53・0%とほぼ変わっていないが、60歳以上の内訳を見ると、60代が18年比3・3ポイント減の27・9%、70代が2・0ポイント増の19・9%、80代以上が1・2ポイント増の5・1%となっており、70歳以上の社長の割合が増えている状況が読み取れる。 県内企業の1年間の社長交代率は3・54%で、全国平均(3・80%)を下回った。同支店によると社長交代率は1993年の4・28%を記録してから緩やかに低下傾向で、社長高齢化の一因となっている。 一方、女性社長の比率は前年比0・3ポイント上昇の8・2%。県内では初めて8%を超え、全国平均(8・3)%と遜色ない水準に上昇した。 同支店は「北陸新幹線延伸を好機として捉えた起業や、第二創業による若手後継者の出現に期待したい」としている。
福井新聞社