「数年前まではガードが支配していた。でも…」エンビード、ヨキッチらに続き、若手の台頭で再びビッグマンの時代が到来?<DUNKSHOOT>
1月22日(日本時間23日)、フィラデルフィア・セブンティシクサーズのジョエル・エンビード(213cm・127kg:センター)が70得点、ミネソタ・ティンバーウルブズのカール・アンソニー・タウンズ(213cm・112kg:パワーフォワード/センター)が62得点を奪取。12月13日にはミルウォーキー・バックスのヤニス・アデトクンボ(211cm・110kg:パワーフォワード)が64得点をマークした。 【動画】NBAを支配するヨキッチ&エンビードの好プレー集をチェック! NBAの歴史を振り返ると、1950年代はジョージ・マイカン、60年代はビル・ラッセルとウィルト・チェンバレン、70~80年代はカリーム・アブドゥル・ジャバー、モーゼス・マローン、90年代はアキーム・オラジュワン、シャキール・オニール、パトリック・ユーイング、2000年代はティム・ダンカン、ケビン・ガーネット、ダーク・ノビツキーなど、ビッグマンがリーグの中心を担ってきた。 しかし、2000年代中盤のハンドチェックルール廃止を機に、NBAではドライブを得意とするペリメーター、ガードの選手たちが台頭。2010年代にはステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)の影響で3ポイントシュートが大幅に増加し、今では1試合120得点超えも珍しくないハイスコアゲームが展開されている。 今季ここまで(1月22日時点)リーグの平均得点は115.5点。これは歴代6位で、1969-70シーズン(同116.7点)以来のハイアベレージだ。 ただ、過去5シーズンでMVPに選ばれているのはエンビード、デンバー・ナゲッツのニコラ・ヨキッチ、アデトクンボといったビッグマンで、今季も彼らがタイトル争いをリードしている。 さらに今季の新人王を争うヴィクター・ウェンバンヤマ(サンアントニオ・スパーズ)とチェット・ホルムグレン(オクラホマシティ・サンダー)、パオロ・バンケロ(オーランド・マジック)やアルペレン・シェングン(ヒューストン・ロケッツ)といった若手ビッグマンたちの活躍も著しい。 また、アンソニー・デイビス(ロサンゼルス・レイカーズ)、タウンズなどベテラン陣も健在で、リーグはビッグマンが支配する傾向へシフトしつつある。 「数年前までは、ガード陣がゲームを支配していた。でも今はビッグマンたちのゲームに戻ってきた。サイズがあっても、多くの仕事をこなせるビッグマンがリーグには揃っている。ゲームは変わっていくから、順応していく必要があるだろうね」とウェンバンヤマは言う。 エンビード、ヨキッチ、アデトクンボが現在リーグのトップに君臨するなか、ウェンバンヤマやホルムグレン、シェングンら若手勢が今後さらに台頭していくことになれば、NBAの主役は再びビッグマンへ変わっていく可能性は十分ありそうだ。 文●秋山裕之(フリーライター)
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