なぜ? 静岡県の海に”沖縄の魚”が泳いでる
こちらは“海の異変”です。静岡県内の海で見つかったのは「沖縄の魚」。いったい何が起きているのか?現地を取材しました。 ◆笹村朱里アナウンサー: 「伊東の魚市場です。近くでとれた魚はこの場所に運ばれてきます」 伊東市の「伊東魚市場」。早朝から活気に溢れるこの場所で、漁師たちは今、“ある異変”を感じているといいます。 ◆北川漁業 野表秀生さん: Qこの大きな魚は何ですか? 「マグロです。キハダマグロの少し小さいキメジ。最近ものすごく入るようになって、今年に入ってキハダがすごく多いなと感じる」 刺身や寿司でお馴染みのキハダマグロ。主に水温が高いところが生息域です。ここにきて、そのキハダマグロが、アジやサバを獲るための定置網に引っかかるといいます。 県定置網漁業協会によりますと、伊豆半島東海岸定置網の2024年9月のキハダマグロ漁獲量はおよそ6トン。これは平年の“10倍”です。(県定置漁業協会及び静岡県水産・海洋技術研究所伊豆分場) キハダマグロは鮮魚界の人気者ではあるものの、地元の漁師にとっては喜びばかりではないようです。 ◆川奈定置網・郡司大吾さん (漁師歴30年): 「アジ、サバ、イカ/ここ何年かとれない。昔は、サバとかアジは常にあった、それだけ量が少ないということだと思う。夏にとれていた魚が寒くなってもとれるから、魚で季節を感じないというか」 実際、“異変”はこれだけではありません。 全長90センチほどのこの魚。おそらく“オニカマス”ではないか…とのことですが、地元の漁師でも名前が分からないような魚が近年増えているそうです。キハダマグロも、オニカマスも、温かい海域に生息する魚ですが・・・ ◆県水産海洋技術研究所・伊豆分場 鈴木勇己主査: 「要因は黒潮の大蛇行。水温が上がることによって、普段見られない南の魚がより北に移動してきたりする。 2017年に発生した「黒潮大蛇行」。7年経っても続いているのは観測史上最長です。 こちらも、県内で撮影された映像。体に2本の線があるこちらの魚は「グルクン」という名前の魚です。グルクンについて、伊豆の海に潜り続けて30年のベテランダイバーに聞くと。 ●八幅野 海好きダイビングショップ 福田航平さん: 「タカサゴという魚の種類をまとめてグルクンと呼んでいる/伊豆ではあまり見られていなかった魚。5年 10年で数がすごく増えたと思います。」 Q:グルクンってどの地域でよく見られる? 「沖縄とか九州の方とか、あちらの方でよく見られた魚」 静岡の海を泳ぐ、沖縄の魚。県水産海洋研究所によると、黒潮大蛇行は今後もまだ続く見通しだといい、 今後、私たちの食卓に並ぶ魚にも影響を与えてくるかもしれません。